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新生!毎日、泣いて笑って喜んで哀しんでる、かなりラテンの血の濃い、そんな宮武嶺のエブリワンブログです!

2012年度からの中学武道必修化は考えなおした方が良い 子ども未来法律事務所通信12

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 大阪市此花区の整骨院内にある柔道場で2010年11月、練習生だった小学1年の男児=当時(6)=に立ち技をかけ、死亡させたとして、業務上過失致死罪に問われた指導者(36)の判決公判が10月5日、大阪地裁で開かれ、中川博之裁判長は求刑通り罰金100万円を言い渡しました。


 判決によると、被告人は昨年11月10日、受け身を十分に習得していない男児に連続して足払いなどをかけて頭を激しく揺さぶり、急性硬膜下血腫のけがを負わせ、1週間後に脳腫脹(しゅちょう)で死亡させたということです。


 来年から子ども未来法律事務所を本格始動すると、児童虐待などだけでなく、こういう学校事故に類する事件も一杯やってくるのかなあと思うと、暗い気持ちになりました。



児童虐待を止められない親御さんに あなたはやめられる  子ども未来法律事務所通信8






 それにしても、柔道の練習中に管理不行き届きでお子さんが亡くなった、というのではなく、この被告人が直接技をかけて死亡させてしまったのに、罰金刑とはずいぶん軽いと思って調べてみました。


 判決理由で中川裁判長は「柔道は事故が起きやすいスポーツ」「男児に対する受け身の指導が不十分だった」「単調な練習では飽きると考え、投げ技や乱取りなど危険な練習を続けた過失は重い」と指摘しました。


 この被告人は被告人質問で、初めて柔道を児童に教えるにもかかわらず、「指導書を読んでいなかった」と明かしました。そして


「すべて間違っていた。男児の両親から大切な存在を奪ったことは許されない重罪で、重い処罰を望む」


と述べていたということです。






 なんだか哀しくなりますね。


 裁判長は「被告人なりに児童の成長を願って指導しており、遺族にも繰り返し謝罪している」として罰金刑にしました。


 この事件では、検察が罰金100万円を求めて略式起訴しましたが、大阪簡裁が「不相当」と判断し審理を地裁に移送したのです。略式起訴とは本裁判を受けないで書類だけで罰金の略式命令を出す制度ですが、簡易裁判所の裁判官はそれでは足りないと考えたわけです。


 ところが、地裁での公判では検察側が改めて罰金100万円を求刑したということです。本当にこの指導者が反省していることが、検察庁にも地裁にも看取できたのでしょう。もちろん、被害者との示談は済んでおり、被害者の遺族から被告人を宥恕する(許す)旨の上申書も提出されていたに違いありません。





 交通事故では、なまじ加害者が保険をかけているが故に、保険会社が介入することが多く、保険屋が被害者の遺族に謝りに行くのを止めることが多いのです。もし、加害者が素直に、真摯に、早い段階で必死に謝罪に行けば、被害者側が起こさなくても良かった民事裁判も多いと思います。


 今回の事件の詳しいことはわかりませんが、この柔道の先生が子どものことを考えて一生懸命指導していたこと、やってしまった過ちを真剣に反省していることが、お子さんを失ったご遺族にも伝わったのだと思います。やるせない話ですが。





 しかし、同じような悲劇が来年からは増えるかもしれません。


 文部科学省が学習指導要領を2008年に改訂し、来年2012年度から、中学校の保健体育でこの柔道などの武道が必修となるのです(ダンスも必修らしいです。両方男女ともやるんだろうか。そのあたりも釈然としません)。


 ところが、愛知教育大学の内田良講師の調査によると、学校での柔道の練習で死亡した生徒の数は、1983年からの27年間で少なくとも110人に上り、平均すると1年に4人以上の計算になるというのです。


 上の事件を含め、最近でも2009〜2010年だけで13人が亡くなっているというんです。内田氏によると、投げ技など柔道特有の技によって亡くなるケースが多いということです。全日本柔道連盟の調べでも、2009年までの6年間に複数の死亡例を含む56件の重大事故が起きています。


 



 実は柔道稽古中に発生した重大事故において、指導者が刑事事件に問われたのは今回が初めてだそうです。ですから、柔道の事故の徹底的な原因究明がなされていないように思われますし、必修化に向けた政府の準備は十分なのか疑問です。


 起訴も初めてで、しかもそれが罰金になってしまったというのは、被告人の反省態度が素晴らしかったことに加え、我が国では「武道は危ないのが当たり前だから、ある程度の事故は指導を受ける側も甘受しなければならない」という認識が背景にあるような気がします。


 実は私が卒業した中学校は、柔道の嘉納治五郎が創ったということで、柔道が必修でした。私もこの科目が大好きだったのですが、とにかく柔道は受け身、受け身です。プロレスでもアントニオ猪木が受け身の名人だったように、格闘技はまず「受け」なんですよね。


 しかし、上記の事件のように、受け身の練習を生徒が嫌がるから投げ技ばかり教える、なんて先生がいたら、これは事故頻発です。






 実は、世界で最も柔道人口が多いのは日本ではなく、フランスだそうです(悔)。


 フランスは世界最大の60万人の柔道人口を誇り、その75%は14歳未満の子どもたちだということですが、フランス柔道連盟のジャン・リュック・ルージェ会長は、「フランスでの柔道の死亡事故は聞いたことがない」「日本の柔道選手の中には「軍のコマンド兵のようなアスリートもいる」と語ったということです。


 体罰が絶えない日本の学校で、さらに格闘家である柔道の先生のしごきに反論できる生徒が多いとは思えません。


 全日本柔道連盟は独自の安全対策の手引きを作成していますが、それでも毎年4人ずつ死亡しています。まして、政府はこれまでのところ、学校で柔道を教える際の安全指針を発表していないのです。柔道のみならず個々の競技について、国としての負傷のリスクや安全対策のガイドラインは示されていません。






 柔道部に入る生徒というのは、身体に自信のある生徒が多いのではないでしょうか。柔道部の部活動に入ってきた生徒達でも死んできているのに、全生徒必修になったら、重大事故が増える可能性は極めて高いと考えます。


 3年前もに学習指導要領を改訂して、来年からの武道必修化を目前に、安全対策を怠っている文科省の責任は重大です。


 私も個人的には柔道を含めて格闘技が大好きで(武道に相撲も入れて欲しいくらい)、柔道の競技人口も再び増えて欲しいのですが、冷静に考えると、十分な安全対策ができるまで、武道必修化は凍結すべきだと考えます。



 


 


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