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消費税のために「人質」にとられた幼保一体化 「総合こども園」は要らない 子ども未来法律事務所通信16

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 政府は2012年1月20日、子ども・子育て新システム検討会議作業部会(座長・園田康博内閣府政務官)に対し、2013年度からの段階的実施を目指す包括的な子育て支援改革の最終案を提示しました。


 消費税増税による財源を活用し、幼稚園と保育所の機能を一体化した「総合こども園」を創設することなどが柱で、1月24日召集の通常国会に関連法案を提出する方針です。


 ところが、この子育て支援改革は、政府・与党が進める「税と社会保障の一体改革」の一環で、新システムは「恒久財源を確保しながら実施」と明記されています。恒久財源とは何かというと消費税増税のことで、1兆円余りの実施費用の内、消費増税分で年間7000億円の追加財源の確保を見込んでいます.


 政府は消費税率が10%に引き上げられる2015年度に新システムの本格実施を想定しています。


 つまり、消費税増税法案が成立しなかったら実施しないというわけです。


 なんとまあ、はじめに消費税増税ありきというか、消費税増税のためなら、子どもたちを人質に取るという卑怯千万なやり口です。



 




 しかし、民主党の幼保一体化(自民党政権では幼保一元化)は別に無理して進めるべきものではありません。


 もともと、厚生労働省の管轄下に保育園があり、文部科学省の管轄下に幼稚園があるのは、縦割り行政の最たるもので、不合理だと言うことで幼保一体化が言われてきました。


 政府が進めている子ども・子育て新システムの保育制度改革案では、幼保一体化で幼稚園で乳児保育を実施し、企業等の参入で現在の認可施設の水準を下回る保育施設を増やす制度にしようと考えているのです。


 未就学児の教育・福祉において、今現在最も大きな問題は、都市部を中心に保育所に入所できないでいる待機児童が増え続けていることです。待機児童解消がいわれてすでに15年以上が経過しています。


 しかし、幼保一体化で待機児童解消は進みません。待機児童の8割以上を占める0〜2歳児の保育を総合こども園に義務づけないため、待機児童対策としても期待することはできません。


 そもそも幼保一体化として2006年度からスタートした認定子ども園は当時2千ヶ所を目標にしていましたが、下のグラフのように、2011年度幼保連携型は406件で達成率20%にすぎません。その間、待機児童は増え続けています。この事実を見ても、幼保一体化では待機児童解消は進まないのは明らかです。



 待機児童解消には認可保育所の増設がまず必要なのです。政府の幼保一体案では、現在の認可保育所の水準での待機児解消がすすめられません。





(厚生労働省 保育所関連状況取りまとめ(平成22年4月1日)


 





 


 今の幼保一元化新システムについては以下の5つの問題点が指摘できます。


 第1に、このシステムでは、児童福祉法24条に基づく保育の実施責任がなくなり、市町村は保育が必要であるかどうかを認定するだけになります。保護者は保育所を自力で探し、直接契約をしなければなりません。


 幼保一体化の本当のねらいの一つは現在の補助金制度を廃止し、親への直接補助方式だけにするということです。


 現行制度では、入所については市町村の責任で希望する施設に入所させ、国と自治体が保育所に対しては建設補助金と運営補助金を支給して、親には所得に応じて保育料軽減をおこなっています。つまり、国は施設と親との両者に支援を行っています。


 それを親への直接補助だけにするというのが幼保一体化です。


 現在の児童福祉法では、働いている等の理由で役所に希望の保育所への入所申請を行えば、市町村の責任で認可保育所に入所させなければならない制度になって います。また保育所の建設費や運営費は国が財政的支援をする制度になっています。


 これに対して、新システムでは市町村が基準にもとづき保育時間や保育料等を定めた子ども園給付の認定書を親に交付します。親はその認定書を持って、その条件で受けてもらえる保育所を探し、入所契約を結び、保育料を支払います。園に給付額が支払われるという仕組みが検討されています。


 この案だと、入所できない場合は、親の責任となります。現行制度の市町村が入所と保育保障に責任をもつという法的規定がなくなるからです。保育所を探せない場合は認定書は紙切れ同然で何の役にもなりません。




 



 第2の問題点は、国の定める最低基準がなくなり、保育の地域格差がいっそう広がるだけでなく、子どもの生命、安全が危険にさらされます。さらに、規制緩和により保 育の質を下げて子どもたちを犠牲にしてでも儲けようとするような事業者の参入に歯止めがかけられなくなります。


 国と自治体が園運営に責任を持つ認可制度ではなく、事業者の責任で進める指定制度が導入されるのです。それは、企業等誰でもがいつでも保育事業に参入でき、都合が悪くなればいつでも止めることができる制度です。


 現行の補助金制度は保育以外には使ってはいけないといった規制があります。しかし、給付制度は親への直接補助ですので、親は保育所・幼稚園以外には子ども 給付は使えないけれど、給付を受ける側の保育施設は個人からもらうことになり、使途制限の規制がなくなり、補助金を保育以外の経費にあてることができて、株主配当金等企業経営のために使うことが許されるのです。


 子どものための保育予算が保育以外にもつかっても良いという制度になってしまうのです。


 幼保一体化は、結局、幼児教育を規制緩和して、企業の参入を容易にするという新自由主義でしかないのです。




 



 この新自由主義化のため、幼保一元化の第3の問題点として、基本の保育料の他に、実費徴収やオプション保育などの上乗せ徴収、さらに認定の保育時間を超えた利用分の徴収などの負担が強いられるようになります。そのため、お金がなければ必要な保育が受けられなくなります。


 給付基準以外の保育時間や保育を受けると、実費を別に支払うことになるし、現在の保育料減免制度もなくなります。


 そのうえ、国と自治体は、保育保障に責任を持たなくなりますから、保育所・幼稚園への運営費や建設費の補助金も支給しなくなります。国や自治体は親に直接 給付を補助するから、保育所・幼稚園の建設や運営の資金は、すべて親と園とで進めなさいといった制度になるといえます。


 これ以外にも、第4の問題点として、保護者の就労時間などを基準にした認定になるので、子どもたちが保育所保育を利用する時間がバラバラになり、集団での生活や遊びは困難になることや、第5の問題点として、このシステムでは保育所の経営が不安定になり、保育者のパート・非正規化など労働条件の悪化も避けられず、その結果、保育の質が低下し、子どもの健やかな育ちを保障することができなくなることが上げられます。







 こうした親への直接補助方式について、国際機関であるOECD(経済協力開発機構)は、国や自治体の必要な指導や規制がかけにくくなり、保育の質が低下し、こどもに不平等が生じるため推奨できないと警告しています。


 幼稚園には130年以上、保育園にも数十年の長い歴史があり、文化があり、良さがあります。保育制度のゆくえは、日本をどのような社会に築いていくかという重要な課題であることから、戦後築いてきた現行制度をしっかりと検証し、良いところは生かし、悪いところを改善する現行制度の拡充改革を進めることこそ現実的な対応といえます。


 子どもを育てる親の選択権の拡充という意味では、幼保一元化を無理に進めるより、それぞれの良さを生かしてそれを伸ばして、親はどちらでも選べるような多様な制度を保持した方が良いでしょう。


 それが、日本の最も大きな問題である少子高齢化対策にもなるのです。


 現行制度の良さが機能していないのは、財源の確保がされていないことにあります。例えば、保育所と幼稚園の幼児の費用の負担割合について、自治体の独自事業を除く国ベースの予算でみると、親が50%、自治体が42%負担なのに、国の負担はわずか8%なのです。


 国際的に見ても、日本の場合は公費負担が少なく、親の負担が高いのが特徴です。このあまりにも少ない国の保育費用の負担割合を引き上げて、保育料軽減や保育環境の改善のための予算を計画的・優先的に充てられるような、制度に拡充することがまず必要です。


 しかし、そのために消費税増税など必要ありません。


 待機児童解消のためには、たとえば、1年間に10万人分の保育所増設をしようとするなら、平成22年度子ども手当予算の1割未満程度の財源があれば可能であり、運営費も賄えるのです。


 有害無益な幼保一体化を進めるべきではありませんし、消費税増税を飲まないと待機児童を救わないぞ、などという脅迫は許されないのです。


 


 


 


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 政府は20日、税と社会保障の一体改革で打ち出した新たな子育て施策「子ども・子育て新システム」について、最終案を作業部会に示した。幼稚園と 保育所の機能を併せ持つ幼保一体化施設「総合こども園」を15年度をめどに開設する。地域での子育て支援事業に対する補助金を新設し、保育量の拡大を図る ことで保育所待機児童の解消を目指す。政府は、国と地方、事業主の負担割合など細部を詰めたうえで、24日開会の通常国会に関連法案を提出する。【山崎友 記子】


 新制度の柱、総合こども園は、15年度を想定する消費税の10%への引き上げに合わせ整備する。約2万3000カ所ある保育所は、15年度から3年程度で総合こども園に移行させる。ただし、3歳未満のみを預かる数百カ所の施設は保育所のまま存続させる。


 一方、幼稚園には総合こども園への移行期限を設けない。私立幼稚園への私学助成を大幅に縮小するなどして移行を促すものの、一部私立幼稚園の反発に配慮し、現状の幼稚園として存続することも認める。また、総合こども園には一定の要件を満たした株式会社なども参入できる。


 約2万6000人に上る待機児童は、8割以上が3歳未満児。受け入れ先を増やすため、定員20人以下の小規模保育事業や、少人数を自宅で預かる 「保育ママ」も新制度に位置づけ、補助金の対象とする。厚生労働省と文部科学省に分かれている補助金を一本化し、包括交付金として市町村に委ねる。所要額 は1兆円を見込んでおり、消費増税分から7000億円確保することを想定している。


 実施主体の市町村には、事業計画の策定を義務付ける。原則、各自治体は計画策定や需給状況を見極めるため、子育て中の親や労使代表、有識者らからなる「子ども・子育て会議」を13年度にも設置する。


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 ◆子ども・子育て新システム最終取りまとめ案の骨子◆


・学校教育・保育及び家庭での養育支援を一体的に提供する「総合こども園」を創設


・総合こども園、幼稚園、保育所、基準を満たしたその他の施設の総称を「こども園」とし、給付を一体化


・保育所(3歳未満児のみの施設を除く)は制度の本格施行から3年程度後にすべて総合こども園に移行


・利用者負担は負担能力に応じ、現行の保育所、幼稚園の水準を基本


・市町村は地域の実情に応じて必要な施設・事業を計画的に整備


・こども園や子どものための手当などに関する国の負担金・補助金を「子ども・子育て包括交付金」に一括




毎日新聞 2012年1月20日 東京夕刊




 


 


 


 


 


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