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おときた駿議員提案の「選挙で子育て世代に高齢者の倍の票数を与える投票価値調整システム」の残念さ加減

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憲法 第六版  芦部 信喜  (著), 高橋 和之 (補訂)  岩波書店


ご存知、憲法学の泰斗芦部先生の憲法基本書最新版。安倍首相は読んでいないことが暴露されたが、いやしくも住民の代表なら地方議員にも持っていてもらいたい。


 


 


 実は、わたくし、この「日本初のブロガー議員」音喜多(おときた)氏にはBLOGOS上で注目しておりまして、期待もしていました。


 特に最近ヨーロッパまで民主主義を勉強に行かれ、スイスの直接選挙制を生で体験されて報告しておられたりしたので、この瑞々しい感性はこれまでの政治家と一味違うなあと思っていたのですが。


 やはり、せいぜい都議会議員で収まっていただいた方が無難で、国政には決して出てくるなというレベルの議員だということが今回わかってしまい、いささか残念です。


 このおときた議員は維新の党ではなく、アントニオ猪木氏が最高顧問!を務める「日本を元気にする会」wという政党の議員さんなのですが、大阪「都」構想を熱烈に支持しておられました(追記あり)。


 しかし、彼はまだ若いですし、大阪から遠く離れた都議会議員なので、大阪の方々の生活実感とかけ離れた意見を持っていても仕方ないのですが、次の2点は橋下市長と同じく人権感覚ゼロで、議員失格ものです。



大阪「都」構想住民投票否決について、「白髪の増えた橋下さんの笑顔に、本当に涙が出そうになる。悔しくて悔しくて仕方ないけれど、それでも私は、政治を諦めたくありません」と書くほど、維新に入れ込んでいた。


 


 


 


 まず、「年金受給者に、選挙権は与えるべきではない」の合理的な論拠とは?という記事では「セシウムは燃やしてしまえば分解する」で有名なトンデモ評論家の池田信夫氏から紹介された


「高齢者、年金受給者には選挙権を与えるべきではない」


という「学説」を解説しています。


 そのなかでおときた議員は、1925年の普通選挙以前は


「「制限選挙」、つまり一定額の税金を納めた人でなければ、選挙では投票権を持てない仕組みが採用」


されていたので、この「学説」には


実は歴史的には論拠がしっかりとあるのです。


というのです。


 歴史上、以前にも採用されていれば歴史的に根拠があるというなら、奴隷制にも歴史的根拠はありますがね。


 そもそも制限選挙なんて、絶対的天皇制のもとで、法の下の平等が採用されていなかった大日本帝国憲法下での話ですから、今は参考にならないと考えるのが普通です。


 ちなみに、おときた議員は1945年まで女性には選挙権が与えられず、日本は普通選挙ではなかったことをご存じないらしいです。


 


元みんなの党出身。現在、31歳。やはり世代格差問題が主張の中核らしい。





とにかく結婚したいらしいのだが、いろいろと過剰なのと、偏っているのを直したらと思う。


 


 


 


 そして、彼は


「現代の日本で言えば、大半の年金受給者は納税者ではなくなり(消費税はあるけど)、主に税金を受け取る側の立場にあります。そのような受益者たちに意思決定権を与えてしまえば、社会がどうなるかなど推して知るべし…ということですね。」


要は昔はよくも悪くも、選ぶ側も選ばれる側も当事者意識が徹底していたんですね。「普通選挙」の最大の欠点は、誰もがなんとなく権利を持ち、なんとなく結果を受け止め、責任感や当事者意識が欠如してしまうことに突きます(原文ママ)。」


とまで主張するのでした。


 この人は議員のくせに、年金から所得税と住民税、介護保険料、健康保険料、後期高齢者医療保険料が天引きされて支払われるのをご存じないようです。企業で働いていれば当然、厚生年金掛け金も雇用保険料も引かれます。


 これらの負担は所得に応じてかかってくるものですから、年齢とは無関係で、世代間で平等な制度です。原則としては同じ年収なら同じ税額・保険料ですから(世代間格差は支払う税金ではなく、得られる生涯年金の差)。


 またおときた議員は、そもそも高齢者も年金保険料を数十年支払っていないと年金なんてもらえないことも無視しています。


 さらに、彼は大阪「都」構想が否決されて悔しかったらしく、シルバーデモクラシーに敗れた大阪都構想に、それでも私は希望の灯を見たいという記事を書いたのですが、これは各方面から間違いだと指摘されています。


辛坊治郎氏のデマ。都構想の敗因はシルバーデモクラシーではない。現役世代が白け投票しなかったこと。



普通選挙制度成立史の研究 (岩波オンデマンドブックス)  松尾 尊? (著)  岩波書店


普通選挙制の実現は明治憲法下で政治的自由を求める国民の目標であり、大正デモクラシーの中心課題であった。本書は普選運動の展開過程を婦人参政権運動を含めて精密に追跡し、体制側の民衆統合政策が、治安維持法との抱合せという、ゆがんだ普選制に収斂されて行くさまを実証。大正デモクラシー期の政治構造の変化を析出した名著。








 そこで、おときた議員は、「投票に行かない若者が悪いだけ」という言説の恐ろしさという記事を書き、その中で苦し紛れに


「もちろん橋下市長の敗因は「シルバーデモクラシーだけ」ではありませんし、これをどう定義するかによって捉え方は変わってきます。しかし私は、他のすべての世代の投票結果で過半数を得た意見が70代以上の投票で覆された事実は「シルバーデモクラシー」と言うべきものであり、まずはこの現実を受け止めて危機感を強めるべきだと考えます(※最後に追記あり)。」


というのでした。そして、さらに彼はそれに続けて


「若い時は、恋に遊びに仕事に夢中で、何が変わるかもわからない投票なんかに行くヒマはない」


などなどから、若い世代の投票率が低いことは


「もはや『前提』とするべき普遍的傾向であり」


「若者の投票率は、高齢者に比べて有意に低い」


ので


「私は高齢者の参政権を制限することには現時点で反対ですが、世代別投票制度や、子育て世代に倍の票数を与える調整システムは真剣に導入を検討しても良い時期にきたと思っています。」


というのです。



“清き0.6票”は許せない! 一票格差訴訟の上告理由を読む (GENJINブックレット58)


升永 英俊 (著), 久保利 英明 (著), 伊藤 真 (著), 田上 純  (著)  現代人文社


憲法では、平等選挙を保障しているが、現実には、住んでいる場所によってその投票価値は平等ではない。真の「1人1票」の実現を目指す。本書はその趣旨と考え方を平易に解説する。


 


 


 ちなみに


「一人一票は憲法で規定された人権だ」
「高齢者の参政権を制限することはできない」


という考えは


まったくその通りですけど、そこで思考停止をしていていいんでしょうか。


だそうです。


 彼はスウェーデンで下のように言われたのをケロッと忘れちゃって、若者の投票率が低いのは普遍的だというのですねえ。


「わが国でも若者の政治離れは問題です。なにせ、70%の若者しか投票に行かないのですから…


 まあ、スウェーデンでも全体の投票率は85%だということですから若者の方が低いのですが、おときた議員も政治を職業に選んだ以上、若い世代が投票に行きたくなるような政治をするよう努力するのが先決で、若い世代の投票率が低いのが所与の前提だと考えていること自体が、まさに思考停止でしょう。


 


憲法 第2版 渋谷秀樹 有斐閣


おときた議員もせめてこれ一冊は持っておきたい憲法の基本書。


 


 


 それにしても、おときた議員の年金生活者から選挙権を奪うという思考実験や、子育て世代に倍の票数を与えるという提案は、もはや危険思想と言ってもいい域に入っています。


 そもそも、なぜ一人一票なのか、投票価値は平等でなければいけないのかというそもそも論、原理原則を理解しないまま彼は議員になってしまっているからです。


 なぜ、有権者は投票の価値において一人一人平等に扱われるべきなのか。


 それは、近代憲法の最高価値とされる個人の尊厳の理念(日本国憲法では13条前段)に根源があります。つまり、人はその人格において平等だから選挙という民主政の過程においても平等に扱われるのです。


 一人一人の個人は様々な個性があります。性別も財産も納税額も違うでしょう。しかし、人としての価値に違いはないのです。ですから、政治に対する影響力も平等に持つべきなのです。


 おときた議員が「歴史的根拠」にする大日本帝国憲法下の選挙制度ではそうではありませんでした。端的に言って、女性は男性よりも価値がない、劣る存在とされていました。


 また、日本では1925年(大正14年)に男子普通選挙権が認められるまでは、納税額によって選挙権が与えられていなかったのも、要は「貧乏人」は人間として価値が劣るとされていたからです(1889年には直接国税15円、1900年には同10円、1919年には同3円)。


 


憲法1 人権 第5版 (有斐閣アルマ)  渋谷秀樹  有斐閣


上の基本書が難しかったら、これでもいいです。


 


 


 もし、年齢別に投票できる票数を変えるなら、それは人間としての価値に違いがあることを認めることを意味します。そんな考えに合理性がありますか?現役世代でさえそんな考えは受け入れがたいでしょう。


 人間はだんだん年を取ると価値が小さくなるとでもいうのでしょうか?あるいは年を取って国に収める税金が少なければ価値がない?


 そういう人間としての価値に違いがあるという考え方は、戦争に負けて、日本国憲法が制定されて払しょくされたのです。おときた議員のような感覚はまさに戦前の明治憲法下の考え方であり、封建社会の思想であって、実に古いと言わざるを得ません。


 そもそも、彼の提案する「世代別投票制度や、子育て世代に倍の票数を与える調整システム」を導入するとすれば、彼も認めるように日本国憲法に思いきり反しますから、少なくとも法の下の平等を定めた14条1項、普通選挙と平等選挙を定めた15条3項と44条を全面的に「改正」しなければなりませんが、そんなこと、政治的に不可能でしょう?


 そんな不毛な努力をするくらいなら、現役世代の投票率を高めること、さらには少子高齢化社会に対する対処をするほうがどれだけ日本のためになるかしれません。


 というわけで、おときた議員にはがっかりさせられました。


 維新の会と言い、地方議員がこんなレベルだから、地方分権が進まないのだなと思わざるを得ません。


 




関西弁で言うと、あほ、としか言いようがない。


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追記


 最初に述べたように、おときた議員は大阪「都」構想の熱烈な支持者で、その積極的理由は二重行政の解消を言うくらいなのですが、これはもう実態とは全く違うことは明らかになっています。


「大阪都構想」の嘘1 住民投票可決でも大阪は「都」になれない。大阪「都」構想とはずばり大阪市の解体だ


大阪「都」構想の嘘2 二重行政解消の嘘1 大阪市を解体・廃止しても「財政効果なんて意味ない」程度


大阪市を解体→5つの特別区にすると、議員数・財源・権限が減って住民自治は村以下に! 「都」構想の嘘3


大阪「都」構想の嘘4 神奈川県と「かぶる」(二重行政)から横浜市を解体する横浜市民おんのかいな? 


日本最大の政令指定都市大阪市を解体・廃止すると、権限と財源がこんなに奪われる 大阪「都」構想の嘘5


大阪「都」構想の嘘6 特別区・一部事務組合・大阪府の3重行政のムダが凄い


 


 また、政令指定都市である大阪市を一回解体すると二度と元には戻せないのに、


大阪都構想は、おそらく憲政史上初めて地方自治体が、地方自治体の意思によって、地方自治体側からの発案で行う改革になる


「大阪都構想が上手くいく保証はどこにもありません。それは私も、はっきりと申し上げておくべきだと思います。しかし少なくとも、自分たちが決めたやり方で、自分たちの地域をつくる第一歩になります。至らぬ点があれば話し合い、改善し、少しずつ前に進めることは必ずできるはずです。」


という、まあ、外野のお気楽な主張があったりします。そんな雲をつかむような実験みたいなこと、実生活の場である自分の住む自治体で説得力があるわけありません。


フジテレビと橋下市長に見る「詐欺にパネルは使いよう」 気を付けよう、ハシモトトオルとフジサンケイ。


橋下徹市長激白!「大阪五輪、都構想実現なら招致できる!」←2020年に東京でやるのにまた日本で(爆)


大阪「都」構想のデメリット 橋下市長の教育破壊 教育予算・現役世代予算5倍増の嘘


高市早苗総務大臣の「特段の意見はない」を「大阪都成功のお墨付き」と宣伝した橋下維新のデマ。


本日の橋下市長のツイート「都構想にかかる費用は組織を5つに増やす費用でこれ自体が住民サービス」w


税金泥棒の「放蕩市長」橋下徹氏ほど納税者をナメた政治家はいない。そんな大阪「都」構想に絶対反対を。


 


 こうして見ると、おときた議員になにか期待していた私が不明だったというしかないですね。もうブログ記事読むのやめよう。


 


 


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