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新生!毎日、泣いて笑って喜んで哀しんでる、かなりラテンの血の濃い、そんな宮武嶺のエブリワンブログです!

マイナンバー制度=国民総背番号制度の真の恐怖は、国家権力による国民監視と支配体制の完成だ。

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マイナンバーは監視の番号
やぶれっ! 住基ネット市民行動 (著)
緑風出版

私たちには基礎年金番号、運転免許証番号、住民登録番号、保険証の番号など、多くの番号が付けられています。しかしこれらの番号はそれぞれの業務の目的のために、その対象者に限って付けられ、利用も限定された「限定番号」です。
いま作られようとしている共通番号制度は、住民登録のある(定住外国人を含む)全ての国民に強制的に付番され、様々な「限定番号」をつないで広範な事務に汎用的に使用される「共通番号」であり、まったく違う新しい番号です。プライバシーに深く関わり差別的扱いの原因となるおそれのある「障害」、母子、生活保護・失業、疾病・要介護などのセンシティブ情報や、住基ネットでは提供されない世帯情報も、情報提供ネットワークを通して提供されます。こうした情報が、行政機関や関係する民間機関の間で情報共有されていくことで、漏洩や本人の意思に反した利用が心配されます。
この本では、監視社会や管理強化、プライバシー侵害などの問題からの批判だけでなく、現実に作られようとしている制度やシステムに内在する矛盾や問題点の検討にも力を入れました。






 国家権力だとか、支配だとか、私のブログではあまりお目にかからないおどろおどろしい単語が並んでいますが、大袈裟ではありませんし、誤魔化して書くことはできません。


 2015年1月1日に施行予定のマイナンバー制度は、年金情報流出問題のあおりを受けて、今国会での「改正」で銀行預金への拡大などは見送られそうですが制度導入の見直しまでは至っていません。


 そして、今年の10月にはもう自分の番号が通知される予定です。


年金機構に不正アクセスで年金情報が125万件流出!だからマイナンバーはやめなさい!!


 


 このマイナンバー制度で最も危険なのは、今回の年金情報流出事件のように、番号と情報が流出することで国民のプライバシーが「外に」丸裸になることではありません、政府が管理する1人にたった一つで生涯変わらないマイナンバーに、以下のような膨大な情報が集積される可能性があることなのです。


1 人を特定する情報 氏名・住所・生年月日・家族関係・勤務先・友人関係・運転免許・災害の時の避難先・前科前歴


2 財産を特定する情報 所得・資産・クレジット・各種保険・電気ガス水道・車検・全銀行口座と預金・株式・各種納税額・借金


3 教育関係の情報 学校・学歴・成績・奨学金残額


4 社会保障に関する情報 年金受け取り状況と保険料支払い状況・健康保険の使用状況と支払い状況・障害年金や雇用保険や生活保護や母子手当などの受給


5 医療情報 過去現在の病気・障害・DNA情報・処方薬の履歴


6 行動の情報(1) 買った本・読んだ本・アクセスしたサイト・検索した内容・ダウンロードしたソフトや情報


7 行動の情報(2) 渡航歴・電車・車などでの移動情報、GPS・防犯カメラで現在地と過去の移動情報


 今、そらでざっと私が思いつくものでもこれくらいあり、まだ漏れがあると思いますし、これから増えていく新たな種類の個人情報もあるでしょう。


 このように、マイナンバー=国民総背番号制の真に恐ろしいところは、あらゆる情報が集積し、これらが本人だけでなく家族なども横につながって関連付けられ、それが政府に一手に集約されて知られ、管理されてしまう危険性があることなのです。


年金機構が年金番号で性同一性障害者を特定 マイナンバー法でプライバシー=個人の静穏な生活が破壊される




マイナンバーで暮らしはどう変わる?


 




 


 


 上のように可愛らしく描けば、その危険性は実感として沸きませんが、たとえば時の権力がこれらの情報を利用して、邪魔な人物を社会的に抹殺するなど簡単なことです。政府はそんなことはしないというユートピア的な発想の方には、次の箴言を贈りたいと思います。


権力は腐敗する。絶対的な権力は絶対的に腐敗する。


(これは王政、貴族政はもちろん、自民党政権でも民主党でも共産党でも同じ)


 そして、マイナンバーは権力を絶対的にしてしまう制度です。


 長谷部恭男先生が立憲主義とは、一種、性悪説に立つものだとおっしゃっています。


 その意味は歴史的に見て、最も個人の自由と人権を侵害してきたのは国家権力だという厳然たる事実に鑑みて、権力を抑制して国民の基本的人権の侵害を防ぐのが憲法の存在目的だということです。


 逆に言うと、国民は自分たちの選んだ政府だからと言って、過度に信用してはならず、常に権力が大きすぎる権限を持たせることになるのではないか、細心の注意を払わねばなりません。


マイナンバー法(国民共通総背番号制)の問題点 個人情報ダダ漏れの国家監視・管理社会



「マイナンバー法」を問う (岩波ブックレット) 清水 勉 (著), 桐山 桂一 (著)岩波書店


マイナンバー法の問題点が簡単に把握できる本。国民一人一人に番号を割り振る「個人識別番号法案」が成立しようとしている。社会保障分野でのメリットが謳われるが、じつは費用対効果は期待できない。利権の存在、プライバシーへの脅威、国家による国民監視の強化など、さまざまな問題点を摘出し、「IT時代の国民総背番号制」の危険性を呼びかける。こんなもの必要か?


 


 


 たとえば、マスコミ関係者やジャーナリストが政府に都合の悪いことを暴こうとすると、これらの情報の全部または一部を社会に流すことで抹殺できますし、いや、そのような可能性を示唆するだけでうるさい人間は黙らせることが可能でしょう。


 それは研究者・学者などでもありそうなことですし(憲法審査会に出る前の憲法学者とか!)、市民運動や労働運動、学生運動をするような人はもちろん危険にさらされます。


 そういう人が支配されることで、国民のもとに届く情報は極端に制限されることになります。もうこれで専制国家はほぼ完成です。


 そんなことはお上にたてつくような人だけが心配すればいい、ごく普通に生活している普通の市民である自分には関係ないと思われるかもしれませんが、日本に住む人誰もが圧政で苦しんだのが戦前の日本です。そして戦争に逆らうどころか、いつのまにか大多数の国民が諸手を上げて戦争に賛成し、そうしない人を非国民だと虐げたのです。


 戦前に共通番号制度があったら、必ず徴兵や弾圧に使われたことでしょう。


 ここでは、戦前のドイツの神父であるマルティン・ニーメラーの有名な述懐をご紹介しましょう。


ナチスが最初共産主義者を攻撃したとき、私は声をあげなかった
私は共産主義者ではなかったから

社会民主主義者が牢獄に入れられたとき、私は声をあげなかった
私は社会民主主義ではなかったから

彼らが労働組合員たちを攻撃したとき、私は声をあげなかった
私は労働組合員ではなかったから

そして、彼らが私を攻撃したとき
私のために声をあげる者は、誰一人残っていなかった























共通番号制なんていらない!―監視社会への対抗と個人情報保護のために
小笠原 みどり (著), 白石 孝 (著)
航思社

マイナンバー法による政府の市民監視の危険性を告発。





 


 



 


 


 


 そして、個人情報と言うのは、各個別々でも個人のプライバシーそのものの重要な情報ですが、このように集まってしまうともうその人の人格そのものになるんです。


 たとえば、どんな本を読んだかとか、どんなサイトを閲覧したか・検索したかとか、ツイッターでどんな投稿をしたかやリツイートしたか、フェイスブックで誰をお友達にしているかとか、何にいいね!をしたか、とかだけでもだいたいその人がわかってしまうでしょう?


 さらにいつどこに行ったか、誰と会ったか、何を食べたかなどその人の行動がわかれば、もう思想信条を把握されたも同然です。


 どんなエッチなサイトに行ったかとか、2ちゃんねるやYahoo掲示板などの匿名のはずの掲示板に書き込んだことまで集積されたら嫌でしょう(笑)。GPSや防犯カメラでリアルの行動を把握されるのもたまりませんし、病歴や遺伝子情報まで把握されるかと思うと身の毛がよだちませんか。


 このような情報を政府が握っているということは、その事実だけで人が生きていくのが非常に息苦しい社会になることを意味しています。


 もちろん、情報が流出することも恐ろしいですが、この情報をどう悪用されるかわからないからです。もちろん、情報の悪用・流用には罰則規定が設けられますが、そんなのは有名無実ですし、もし悪用してももう特定秘密保護法もありますから、脅迫は社会に知られることなく行われます。















共通番号制度のカラクリ―マイナンバーで公平・公正な社会になるのか?
田島 泰彦 (編集), 白石 孝 (編集), 水永 誠二 (編集), 石村 耕治 (編集)
現代人文社

 社会保障分野でのメリットが謳われるが、じつは費用対効果は期待できない。利権の存在、プライバシーへの脅威、国家による国民監視の強化など、さまざまな問題点を摘出し、「IT時代の国民総背番号制」の危険性を呼びかける。こんなもの必要か?


 


 


 確かに、今はマイナンバーに以上のような情報すべてが集積されることは予定されていません。


 しかし、現に、法律が成立した当初は人を特定する情報と社会保障・税・災害関係の情報が結び付くだけだったのに、マイナンバー制度が2016年1月に施行される前なのに、もう今国会で医療関係や銀行関係の情報を増やそうとしているのです。


 どんな法律でもどんどん拡大解釈・適用されることは、労働者派遣法の改悪の歴史や、集団的自衛権に関しては一言も言っていない砂川事件最高裁判決の悪用でも明らかでしょう。


 マイナンバー制度導入に当たっては、税と社会保障の個人情報を透明化して、負担と給付の公平化などと言うことが言われますが、情報が一元化され、マイナンバーなしには生活しにくいという不便な状況になればなるほど、危険性も増すことになります。


 年金情報流出事件でわかるように、情報を外部からの攻撃から守ることも至難ですし、ミスで流出する人災もあるでしょうし、情報を取り扱う公務員が金のために、あるいはスパイになって、情報を流してしまう危惧も絶えずあります。


 いくらセキュリティがしっかりしても、危険は必ずあります。絶対安全神話はあり得ないことは福島原発事故で嫌と言うほど思い知らされましたし、マイナンバーに情報が集積され便利になればなるほど、いったん情報が流出したときの被害の甚大さは想像を絶することになります。


 しかし、そもそも国民全員に一つ一つ背番号を振るというマイナンバー制度は、それが年金番号や運転免許証番号などバラバラだったときに比べ、国家権力による国民監視と支配の危険性は飛躍的に増すのです。


 それこそがマイナンバー制度の改善しえない問題点であり、マイナンバー制度には絶対反対しないといけません。


マイナンバー法と制度のデメリットと対策1 運用開始2016年1月 管理社会と個人情報漏えいの恐怖


マイナンバー法と制度のデメリットと対策2 施行もしていないのに医療や教育にまで拡大を検討中


 


 


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2015.6.9 12:41 産経新聞


マイナンバー法と個人情報保護法、参院審議を当面見送り 年金情報流出問題で



 参院内閣委員会は9日の理事懇談会で、マイナンバー法と個人情報保護法の改正案の審議を当面見送ることで合意した。年金情報の流出問題を踏まえ、政府の原因究明や国民の不安解消を優先させる。参院での採決のめどは立っておらず、今月中の法案成立は困難な情勢となった。


 マイナンバー法改正案は、国民全員に個人番号を割り当てるマイナンバー制度を、2018年から金融機関の預金口座にも適用する内容。個人情報を企業が活用しやすくする個人情報保護法改正案とともに5月21日に衆院を通過し、今月上旬にも参院本会議で成立する見通しだった。


 政府が来年1月から行政手続きなどでマイナンバーを導入することは決まっている。改正法案の審議が難航すれば、制度への反対論が強まる可能性があり、マイナンバーの活用範囲を拡大するスケジュールにも影響を与えそうだ。


 


 




毎日新聞 2015年05月05日 東京朝刊




マイナンバーで暮らしはどう変わる?
マイナンバーで暮らしはどう変わる?



 

 国民一人一人に番号を割り振り、行政手続きに活用する「マイナンバー」制度が来年1月にスタートする。当初は税や社会保障などが対象だが、政府は将来的に民間も含めた幅広い分野で利用できるよう適用範囲の拡大を検討している。暮らしはどう変わるのか。効果と課題をまとめた。


 ◇将来は民間に拡大検討 「利便性限定」指摘も


 マイナンバーは、赤ちゃんからお年寄りまで国内に住民票があるすべての人を対象に割り当てられる12けたの個人番号だ。今年10月に市区町村から各世帯に対し、世帯全員の番号を通知するカードが書留で郵送される。番号は無作為に決定され、原則生涯変わらない。



マイナンバーカードのイメージ
マイナンバーカードのイメージ




 番号や氏名、住所、本人の顔写真などを表示したプラスチック製のマイナンバーカードも来年1月から市区町村の窓口で無償で受け取れる。カードは運転免許証のように身分証明書として使える。


 来年1月からマイナンバーが活用されるのは、税、社会保障、災害対策の3分野に関連する行政手続き。国や自治体は、税金や住民票など制度ごとにばらばらに管理されている個人情報をマイナンバーで照合できるようになる。国民が行政の窓口で番号を伝えると、さまざまな手続きが簡素化される。


 例えば、厚生年金の受給開始や所得税の確定申告で住宅ローン減税を初めて申請する際、添付が必要だった住民票が不要になる。確定申告の場合、まず自治体の窓口で住民票を取得し、その後に税務署で手続きをしなければならなかったが、手間が省ける。


 会社を退職して国民健康保険に加入する時や、児童手当の受給者が毎年現況届を提出する際にも、必要な書類が減る。また、転職しても、加入していた年金の記録を正確にたどれるようになるため、年金が「消える」恐れはなくなる。


 災害時に自治体が作る「被災者台帳」(氏名、住所、被災状況など)にもマイナンバーを記載する。被災者への給付金支給などを円滑に進める狙いだ。


 個人用のサイト「マイナポータル」も導入される。自分が納めた税金や将来もらえる年金の情報をパソコンやスマートフォンで確認できる。利用者が制度を知らなくても行政側が個人の事情に応じて各種手当など利用可能なサービスをオンラインで通知する「プッシュ型行政」も採用される。


 ◇本格稼働は17年から



確定申告の手続きをする人たち。マイナンバーで手続きの一部が簡素化される=東京都港区の品川税務署で2015年2月、宮間俊樹撮影
確定申告の手続きをする人たち。マイナンバーで手続きの一部が簡素化される=東京都港区の品川税務署で2015年2月、宮間俊樹撮影




 ただ、こうしたメリットの多くは2017年からだ。国の機関がオンラインで相互に情報照会するのは17年1月からで、自治体も加わるのは17年7月以降。マイナポータルが始まるのも17年だ。来年からできるのは年金に関する相談の本人確認などに限られる。


 政府は18年以降に利用範囲を拡大することを検討している。結婚やパスポート申請で戸籍謄本を不要にしたり、自動車登録で手続きを簡素化したりするほか、クレジットカードやキャッシュカードの機能を加えるなど民間でのビジネス目的の利用も課題にしている。


 政府は今国会にマイナンバー改正法案を提出しており、成立すれば、18年から預金口座などにも任意で番号を付与できる。マイナンバーカードはICチップ付きで、クレジット機能が加わると、鉄道やタクシーの支払いができるようになる。キャッシュカードとして使えれば、預金を引き出せる。保険会社の契約者が会社に知らせずに転居しても、マイナンバーで転居先が分かると、保険金の支払い漏れも防げる。


 学者や経営者らで構成するマイナンバーの推進協議会(事務局・日本生産性本部)の試算によると、マイナンバー導入の経済波及効果は約2兆8000億円に上る。ただ、民間への利用拡大が前提で、範囲が限定されたままだと、その分だけ効果も乏しくなる。一方、「行政にとっては事務効率化など効果は大きいが、国民にとっては手続きの一部が簡素化されるぐらいでメリットは限られる」(民間シンクタンク)との指摘もある。


 ◇公平な負担・給付図る 深刻な財政背景に



マイナンバーを巡る主な動き
マイナンバーを巡る主な動き


 



 「本当に困っている人に手を差し伸べる。そのために必要なのがマイナンバーだ」。政府が4月21日、東京都内で開いた自治体向け説明会で、内閣官房社会保障改革担当室の幹部は訴えた。


 マイナンバー導入の背景にあるのは、1000兆円を超す借金を抱えて深刻化する国の財政だ。急速な高齢化で社会保障費が肥大化し、税収は歳出を大きく下回っている。


 社会保障費を巡っては、生活保護の不正受給が2013年度に4万3000件と過去最高を更新した。現行制度では所得の正確な把握が困難なためだ。所得が正確に把握できないと、課税逃れの温床にもなる。所得や生活実態に応じた税負担と社会保障給付を可能にするため、民主党政権は12年2月にマイナンバー法案を閣議決定した。政権交代後も自公政権が推進し、一部修正のうえ13年5月に成立した。青山学院大の三木義一教授(租税法)は「公平な社会を実現するための第一歩」と指摘する。


 ただ、公平な社会へのハードルは高い。所得や資産を正確に把握するため、政府は預金口座にマイナンバーを付与できる改正案を国会に提出しているが、実際に付与するかどうかは当面、預金者の自由。プライバシーを守るため、付与に慎重な預金者も多いとみられる。政府は21年以降に義務化を検討するが、10億件といわれる預金口座すべてにマイナンバーを割り振る見通しは立っていない。


 政府は、病歴などの医療情報にもマイナンバーが適用できるか検討している。患者が医療機関でマイナンバーを提示し、医師が過去の診療内容を確認できれば、二重検査や重複診療を回避し、医療費抑制につながる。しかし、プライバシー侵害への懸念から反対論が根強い。


 マイナンバー制度の構築には、税や年金、自治体の業務システムを更新する必要があり、政府によると、費用は現時点で約3000億円。さらに運用費は毎年300億円程度と見込まれている。「利用範囲が限定されたままでは、マイナンバーは財政を悪化させる要因にしかならない」(財務省幹部)との厳しい見方も出ている。


 ◇事務コスト増、対応に追われる企業 法人番号で効率化も



マイナンバー制度への企業のシステム対応状況
企業のシステム対応状況




 マイナンバー制度では、企業もさまざまな対応を迫られる。


 源泉徴収票など税務関係や社会保障関係の書類にはマイナンバーを記載する必要があり、企業は従業員とその家族の番号を把握しなければならない。その際、企業は本人確認を行った上で、番号が外部に漏れないよう管理する義務が課される。人事部門の事務コストやデータ保護対策費などがかかり、人手が少ない中小零細企業は準備が間に合わない恐れもある。


 一方、マイナンバー制度導入に伴い、企業にも「法人番号」(13けた)が割り振られる。個人と違って、法人番号は公開され、自由に利用できる。企業グループが取引先との売買情報を法人番号にひも付けして整理すれば、親会社と子会社で別々に発注していた商品を一本化して管理することが可能になり、業務効率化が期待できる。


 システム関連企業には商機となる。富士通は1月から「番号制度推進室」を設け、顧客支援を強化。NECも2月からシステム管理や従業員教育などを総合的に支援するサービスの販売を始めた。


 ただ、企業の備えは十分とはいえない。個人情報保護の取り組みを支援する一般財団法人「日本情報経済社会推進協会」が1月に実施した調査(約700社が回答)では、マイナンバーへのシステム対応が完了したと答えた企業は18・2%にとどまった。同協会は「まだ当事者意識が乏しい」と分析している。


 ◇個人情報流出リスク 詐欺に悪用/プライバシー侵害の恐れ


 原則として生涯変わらないマイナンバー。一つの番号に多くの個人情報がつながることによる利便性の半面、流出した場合は危険が大きいとも言えそうだ。共通番号制度を早くから導入した米国や韓国では、番号と個人情報が一緒に流出したり、盗まれたりして、他人が「番号の持ち主」になりすます問題が起きている。政府の給付金が不正に受け取られたり、クレジットカードが偽造されて買い物をされたりする被害も報告されている。


 米政府の資料では、2006〜08年のなりすまし犯罪の被害者は1000万人を超えたとされる。韓国では昨年、共通番号や銀行口座などが記録された1億件以上の個人情報が流出して、大きな問題になった。番号見直し論も起きたという。


 日本政府は「日本では写真付きのマイナンバーカードなどを使い、厳格な本人確認を義務づけている」(内閣官房)と強調。また「個人情報を特定の行政機関に集約する『一元管理』にはせず、情報がまとめて漏れるようなことはない」と説明する。さらに法令違反への勧告・命令権限を持つ第三者機関「特定個人情報保護委員会」による監視▽省庁間のやりとりの暗号化▽漏えいした人への重い罰則−−によって不正利用を防ぐ構えだ。


 また、政府は、マイナンバーカードでログインする「マイナポータル」を使えば、自分のマイナンバーにアクセスした人の履歴を確認できるとしている。


 逆に、このサービスの盲点を心配する質問がマイナンバー法案を審議した13年の衆院内閣委員会で野党から出た。パソコンを持って高齢者宅に上がり込んだ人物が「手続きをやってあげる」と言って、カードを借りてログインし、個人情報を盗むケースが起こりうるのではないかとの指摘だ。内閣官房の向井治紀審議官は「番号制度のあるなしにかかわらず、不正、詐欺事件というのは起こりうるのかなという気はいたします」と答えた。


 さらに、日本に住む人全員を番号で行政が管理することによるプライバシーの侵害を心配する声も根強くある。醍醐聡・東京大名誉教授(会計学)は「いずれ民間などへの利用範囲拡大に歯止めが利かなくなれば、個人の情報がまるごと国の管理下に置かれる恐れがある。『多少の不便があっても番号は持ちたくない』という人に、離脱の自由がないことが気になる」と話す。


     ◇


 この特集は三沢耕平、青島顕、竹地広憲が担当しました。


 


 


マイナンバー制度


施行前から利用拡大


徴収強化・給付削減狙う


 安倍政権が来年1月から実施をねらう「マイナンバー(国民共通番号)」制度について、実施前から利用対象を拡大する法案が衆院内閣委員会で審議入りします。制度と法案の問題点をみると―。(深山直人)










写真

(写真)政府がつくったマイナンバーの宣伝折り込みチラシ



 マイナンバーは、赤ちゃんからお年寄りまで住民登録をした全員に12ケタの生涯変わらない番号を付けて、社会保障や税の個人情報を国が一括管理・活用するものです。2013年、消費税と社会保障の「一体改悪」の道具として自民、公明、民主、維新などが賛成多数で強行しました。


一体的に監視


 政府は「行政手続きが便利になる」といいますが、年に一度あるかどうかの申請などのさい所得証明書の添付などを省略できるといった程度です。


 「メリット」を一番受けるのは国や行政のほうです。一人ひとりの社会保障と保険料・税の利用・納付状況を一体的に把握・監視し、徴収強化と社会保障費の抑制・削減に活用していくことができるようになるからです。


 しかも国民にとってはプライバシー情報の漏洩、不正使用などそれ以上の危険性を抱えることになります。


 年金、医療、介護、雇用や所得・納税などの情報は、それぞれの制度ごとに管理されていますが、共通番号で一つに結ばれることになります。個人番号が流出すれば、さまざまな個人情報が「芋づる式」に流出する危険が現実となります。


 同様の制度を導入しているアメリカや韓国では個人情報の大量流出・不正使用が大問題になり、制度見直し議論が起こっています。


10月から通知


 10月から住民票をもつ全員に番号を知らせる「通知カード」が郵送されます。


 来年1月からは年金確認などの手続きでマイナンバーの使用を開始、希望者には顔写真付き「個人番号カード」を交付するとしています。


 政府は自治体や企業に準備を急がせていますが、ほとんどの国民は計画を知りません。内閣府の2月発表調査では「内容まで知っていた」人は28%。この制度が国民の切実な要求ではないことを浮き彫りにしています。


 ところが安倍内閣が今国会に提出している改定案は、預金口座や健康診断・予防接種、中所得者向け公営住宅の管理にも適用拡大すると定めています。


 預金口座への適用は社会保障給付の資力調査や税務調査などに活用する狙いです。当面は任意とし、制度実施後の21年をめどに義務化する計画です。


 番号法では施行後3年をめどに利用拡大について検討すると定めており、政府も施行状況をみて必要があれば検討すると国会で答えていました。施行もされないうちに利用拡大など許されません。


 医療・健康情報は、利用内容や個人情報保護などの仕組みと併せて検討するとしていたものです。いまだに利用内容も保護措置も決まっていないもとで、なし崩し的に拡大することは大問題です。


 制度実施を前にして準備の遅れがあらわになっています。


 省令の整備も進まないため、自治体の準備も進んでいません。民間企業にも番号の利用が義務付けられ、情報管理体制などを整えなければなりませんが、多くの事業者は準備すら始めていません。


 いまやるべきは対象の拡大ではなく、施行を中止し、廃止に踏み出すことです。


しんぶん赤旗 2015年5月5日


 


 


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