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八代英輝弁護士「強制徴用では日本国民も動員され、賃金も支払われているから強制労働ではない」の嘘。

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太平洋戦争末期、北海道炭鉱に強制徴用され、北海道中川郡安平志内のタコ部屋で虐待された朝鮮人労働者。


 




 今回の「明治の産業革命遺産」が世界遺産に登録された件について、私自身、深く反省していることがあります。


 その一つは、朝鮮人・中国人労働者の強制徴用の深刻な歴史を正確に踏まえずに論評してしまったこと。


 二つ目は、これらの産業革命遺産を世界遺産にしようとする者たちの意図をやはり正確に把握しないままに記事を書いたことです。


 たとえば、米非営利研究団体「アジア・ポリシー・ポイント」のミンディ・コトラー所長は、世界遺産登録決定前に、米ディプロマット誌に登録に反対する記事を寄稿していたそうです。


コトラー氏は、過去のプライドを取り戻すために、歴史の一部を語らないという安倍政権の方針を批判。さらに、観光振興に期待をかける「産業革命遺産」の候補地の多くが、安倍首相、麻生財務大臣、林農水相の地元にあると指摘し、麻生氏や林氏のファミリー企業である、麻生グループや宇部興産を含め、当時の日本の大企業が、第二次大戦中に連合軍の戦争捕虜(POW)に奴隷労働を強いていたと述べている。また、候補地となっている北九州、長崎の港は、3万5000人のPOWが入国した場所でもあると指摘している。』


 『そもそも日本における奴隷労働は、19世紀の明治時代から行われていたとコトラー氏は指摘。1930年代までは、服役囚、農地改革で生まれた土地を持たない農民、放浪者、女性が炭鉱労働に従事させられ、中国人、韓国人も炭鉱、工場、港湾での重要な労働力となっていたと述べる。そして世界遺産登録に当たっては、そのような日本の産業化における事実がないがしろにされていると主張する。


 同氏は、日本が伝えようとする物語は、ユネスコの判定基準である「普遍的価値と意義」に見合わないと指摘。「産業革命遺産」は日本の産業化全体の歴史を省略したもので、ユネスコがそれを受け入れることは、その憲章と、大日本帝国のために奴隷となった多くの人々の記憶にとって害となる、と述べている。』




バターン 死の行進 河出書房新社



 


 


 


 コトラー氏が、連合軍の戦争捕虜(通称POW=Prisoner of War)の労働をことさらに問題にしているのは、フィリピンでのバターン死の行進を生き残った米兵たちが、その後、日本の三井炭鉱などで強制労働に従事させられた歴史があるからです。


 この「バターン死の行進」とは、第二次大戦中の日本軍によるフィリピン進攻作戦において、1942年(昭和17年)4月、バターン半島で日本軍に投降したアメリカ軍・フィリピン軍の捕虜や民間人が、収容所に移動するときに多数死亡した事件を指しています。


 全米バターン・コレヒドール防衛兵の会会長のレスター・テニー博士はこう述べています。


『さらに、「バターン死の行進」を生き延びた米兵たちには、3年余の想像を絶する残虐な収容生活が待っていました。多くの捕虜が“地獄船”に乗せられ、水も衛生施設も無い船倉に肩と肩が触れ合うほど詰め込まれた後、日本帝国全土の工場、鉱山、港湾に送られました。生き残った者は文字通り、戦時生産のために日本の私企業に売られたのです。』


安倍首相はファシズムの歴史的責任認めよ。「バターン死の行進」の米退役軍人団体が議会演説に条件。














 ところで、この世界遺産登録問題について、テレビのワイドショーにレギュラーに出演している八代英輝弁護士が、こんなことを言ったそうです。


『番組は、登録されるまでの外交戦や、両政府の主張について詳しく紹介し、八代氏が意見を求められる場面では、日韓の関係改善の兆しに「冷や水を浴びさせられた」と韓国の姿勢を厳しく批判した。

続いて八代氏は、「Forced Laber」と「foced to work」という2つの言葉の違いは小さな問題に見えるが、「Forced Laber」が強制労働や奴隷制に繋がるようなイメージである一方、


「foced to work」はブラック企業のようなイメージ


があるのだと解説した。

八代氏は「ニュアンスとしてはだいぶ違うんですが、政治に利用されてしまった」と不快感を示した。

さらに八代氏は、日本側が「被害者を記憶にとどめるため」の情報センターの設置を検討すると発表したことについて


「なぜ日本が徴用工の韓国のために情報センターを自分たちの費用で作らなければならないのか」


と違和感を示した。

その理由について八代氏は、強制労働では対価は発生しないが「徴用」の問題では


日本国民も動員されており、賃金の払いの合意もあったと説明し、韓国から「Forced Laberとされるいわれはない。


「今回の件、地元は大喜びかもしれませんが、手放しでは喜べないなという後味の悪いものになってしまいましたね」と厳しく非難した。』



司会の恵俊彰氏(左)と八代弁護士。


 


 


 


 ブラック企業でも十分悪いと思うのですが、八代弁護士の言っている中で決定的に間違っているのは、


「日本人も動員されていて、賃金支払いの合意があれば強制労働ではない」


という認識です。


 確かに、植民地支配をしていた朝鮮半島から朝鮮人を連れてきた国家総動員法に基づく労務動員などは日本人にも適用され、労働に対する対価もありました。


 しかし、国家総動員法による強制徴用は、本人が行きたくなくても無理やり行かされる義務であって、これが日本人も同様だということは免責にはなりません。むしろ、日本人も強制的に労働させられていたというべきです。 


 八代弁護士は賃金の支払いがあったから強制ではないと言いますが、そんなことを言いだしたら、アメリカ兵などの捕虜も労働の対価は受けていました(1日10銭から25銭)。


 だからって捕虜が自主的に働いていたと言えますか?


 また、ネトウヨは朝鮮人労働者は高給で雇われていたと主張するのですが、これは「従軍慰安婦」の給与が高かったというのと同じで、真っ赤なウソ、でたらめです。日本人より高いだなんてそんなわけないだろ、ということくらい常識でわかりそうなものなのですが。


 ちなみに、1932年7月の平均月収をみると、三菱鯰田が三七円五〇銭、三井山野が三八円三〇銭でしたが、次に見る麻生炭鉱の朝鮮人労働者の日給は十銭から六十銭(上の捕虜とほぼ同じ。一日の休みもなく月30日働いても、月収三円から十八円)、しかも、その3割は納屋頭に中間搾取されていました。


麻生炭鉱での朝鮮人強制労働


 イメージ 5


植民地として支配していた朝鮮や中国から強制連行してきた労働者は、軍需工場などでは、まさしく使い捨ての労働力として酷使された。

三池炭鉱では、朝鮮人が最高5000人・敗戦時3000人、中国人は敗戦時2000人が強制労働させられていた。






 



 


 しかも、もともとの国民である日本人と、植民地支配で日本人扱いになった朝鮮人とでは、当然、強制労働の中身は違い、朝鮮人の方がさらに遥かに過酷なものでした。


 朝鮮人労働者らは最も危険な作業場で一日に16〜17時間の労働をさせられていました。


 現に、花岡事件の中国人労働者と同じく、朝鮮人労働者もその低賃金、極めて劣悪な労働条件、企業からの激しい暴力などに耐えかねて脱走が後を絶たず、また多くの朝鮮人が命を落としているのです。


 その中でも、麻生太郎副総理の麻生炭鉱系の会社の朝鮮人に対する暴力は苛烈で、1932年の朝鮮人争議を支援した日本石炭鉱夫組合は争議に際し、『麻生罪悪史』を発行したくらいです。


麻生炭鉱での朝鮮人強制労働















異郷の炭鉱(やま)―三井山野鉱強制労働の記録
武富 登已男 (編集), 林 えいだい (編集)
海鳥社

中国、朝鮮半島における国家ぐるみの労働者狩り、炭鉱での過酷な強制労働、虐待、逃走、虐殺そして敗戦…。坑内係、特高、捕虜らの生々しい証言、手記、さらに焼却処分されたはずの三井山野鉱の収容所設計図によって、戦時下の炭鉱の実態を明かす。






 この1932年のゼネスト当時、麻生系列炭鉱で仕事をする朝鮮人は1千人程度、1939年後半から敗戦の時まで麻生系列に強制連行された朝鮮人は1万1千人程度と推算されています。


 1944年7月に作成された、「福岡県県政重要事項」という文書の中にある治安・思想を担当する警察の特別高等課が集計した「移入半島人労務者に関する調査表」によると、麻生鉱業は移入者7千996人、逃走者4千919人、現在人員2千903人と記録されているそうです。


 ちなみに、移入半島人とは日本本土に連れてこられた朝鮮人のことですが、逃亡者の比率が61.5%に達するとは、麻生の労働条件がいかに過酷だったかを物語っています。


 「麻生罪悪史」には「麻生特有の暴制的暴戻」という表現が見られますが、これが麻生太郎副総理の出自なのです。


麻生一族, 朝鮮人 1万人 強制徴用…追悼碑もなし















清算されない昭和―朝鮮人強制連行の記録 (グラフィック・レポート)
林えいだい 著
岩波書店

厖大な数の朝鮮人を国として強制連行し,敗戦と同時に無責任に放り出した.日本各地や韓国・朝鮮・サハリンを訪ね,当事者や家族,連行した側等のナマの証言と数百枚の写真により,清算してない昭和の戦争責任を告発.








 朝鮮人労働者を強制徴用して虐待した炭鉱などの産業施設を世界遺産にするなら、それなりの説明をつけるのは当たり前で、八代弁護士の「なぜ日本が徴用工の韓国のために情報センターを自分たちの費用で作らなければならないのか」という主張は論外です。


 だからこそ、日本は世界さん登録のために、韓国に情報センターの約束をしたのです。まさか、それを韓国の費用でやれとでも?


 ところで、冒頭に紹介したアメリカ人のコトラー氏が


『さらに、観光振興に期待をかける「産業革命遺産」の候補地の多くが、安倍首相、麻生財務大臣、林農水相の地元にあると指摘し、麻生氏や林氏のファミリー企業である』


と指摘しているにもかかわらず、私は山口県萩の「産業遺産」とされるものが、すべて江戸時代の萩藩の遺産に過ぎないと指摘して揶揄するだけで、これらの「明治の産業革命遺産」なるものの負の歴史や、それを世界遺産にしようとする安倍首相、麻生副総理らの歴史修正主義的な意図を正確に理解していたとは全く言えません。


 そういう意味では、八代弁護士とどっこいどっこいだと言えます。


 これらの「遺産」が朝鮮人、中国人、アメリカ人ら捕虜を奴隷的に酷使した日本の負の遺産であることを弾劾し、明治の産業革命遺産が世界遺産に登録されることに強く反対している人たちがいることをおぼろげには認識していましたが、このことを真正面から考えるのを面倒くさがっていた自分がいたと思います。


 日本人として恥ずかしい限りです。


 その反省を込めて、これから日本と日本企業による朝鮮人、中国人の強制連行の歴史をしっかり勉強して、このブログでもご紹介していくことをお約束したいと思います。



 


 


関連記事


明治の産業革命遺産は世界遺産にならない方がいい。


そもそも、安倍首相が「明治の産業革命遺産」に松下村塾を押し込んだのが間違いだ(笑)。


世界遺産に登録されたら、いきなり「強制労働」はなかったと言いだす日本。日韓、どっちが不誠実?






参考サイト


明らかにされた朝鮮人強制連行の真実、息をのむその過酷な実態


朝鮮人強制連行―その概念と史料から見た実態をめぐって―


麻生炭鉱での朝鮮人強制労働


麻生一族, 朝鮮人 1万人 強制徴用…追悼碑もなし


朝鮮人強制連行はなかったか?






日本の新聞もこのような誇大広告記事を書いて、国策に協力した。








何でも遅すぎるということはないと思うので頑張ります。


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追記


 今回、問題にした八代弁護士に対して、以前は、なかなかバランス感覚のある弁護士さんがコメンテーターをやってくれていてありがたいと、私は実はかなり高く評価していましたが、憲法審査会で3人の憲法学者が集団的自衛権の行使を揃って違憲だと明言した際のコメントで、全く見方を変えていました。


 彼は、「ひるおび!」(恵くんが司会の奴、と言わないととわからないくらいたくさんテレビに出てる八代氏)という番組で、


「私も違憲じゃないと思っていますし、法律家の中でも(同意見は)多いですよ」


「自民党としても自民党の見解を言ってくれる学者さんっていうのは揃えてある」

「審査会当日にたまたま違憲の考えを持つ学者が3人揃ってしまった」


と言ってしまったからです。「法律家の中でも(同意見は)多いですよ」などという大嘘を、時間帯視聴率ナンバーワンの番組で弁護士が放言した悪影響はいかばかりか。


 審査会当日にたまたま違憲の考えを持つ学者が3人揃ってしまった、って、合憲という学者も「たくさんいる」と言い切った菅官房長官でも言えない珍説です。


 集団的自衛権は違憲でない、法律家の中でもそういう意見の人は多い、たまたま違憲の学者が3人揃ってしまった、の三部作で、私は完全に八代弁護士を見はなしました。


菅官房長官の集団的自衛権行使を「全く違憲でないと言う著名な憲法学者もたくさんいる」発言の笑撃!


菅官房長官の「著名な憲法学者もたくさんいる」→「数じゃないと思いますよ」 手のひら返し発言の笑撃!


 


 レギュラーどころか半分司会者?




 


 


八代英輝弁護士が世界遺産登録をめぐる韓国の主張に猛反論






6日放送の「ひるおび!」(TBS系)で弁護士の八代英輝氏が、「明治日本の産業革命遺産」の世界遺産登録をめぐる韓国の主張に真っ向から反論した。

韓国は同遺産について、造船所や工場など7カ所で朝鮮半島出身者が「強制徴用」されたとして登録に反発していた。だが、先月の日韓外相会談で、世界遺産登録へ向け協力することで日韓が合意。一旦は登録に青信号が灯ったように思われたが、土壇場で「強制徴用」の表現をめぐって両政府の溝が埋まらず、審議が翌日に先送りされる事態となった。

特に、韓国側は「Forced Laber(強制労働)」という言葉を文章に盛り込もうとしたが、日本側は削除を求め、最終的には「foced to work」との表現で合意に至った。

番組は、登録されるまでの外交戦や、両政府の主張について詳しく紹介し、八代氏が意見を求められる場面では、日韓の関係改善の兆しに「冷や水を浴びさせられた」と韓国の姿勢を厳しく批判した。

続いて八代氏は、「Forced Laber」と「foced to work」という2つの言葉の違いは小さな問題に見えるが、「Forced Laber」が強制労働や奴隷制に繋がるようなイメージである一方、「foced to work」はブラック企業のようなイメージがあるのだと解説した。

八代氏は「ニュアンスとしてはだいぶ違うんですが、政治に利用されてしまった」と不快感を示した。

さらに八代氏は、日本側が「被害者を記憶にとどめるため」の情報センターの設置を検討すると発表したことについて「なぜ日本が徴用工の韓国のために情報センターを自分たちの費用で作らなければならないのか」と違和感を示した。

その理由について八代氏は、強制労働では対価は発生しないが「徴用」の問題では日本国民も動員されており、賃金の払いの合意もあったと説明し、韓国から「Forced Laberとされるいわれはない」「今回の件、地元は大喜びかもしれませんが、手放しでは喜べないなという後味の悪いものになってしまいましたね」と厳しく非難した。

一方で、コリア・レポート編集長の辺真一氏は、強制徴用の主語が明記されなかったと指摘したうえで「(主語がなければ)民間が、炭坑の主が個人的にやったことだと解釈もできる。韓国政府が主語にこだわらなかったのは、一歩譲歩したのでは」との見解を示して、韓国側を弁護していた。







八代英輝弁護士が安全保障関連法案について「合憲」との見解を示す






10日放送の「ひるおび!」(TBS系)で弁護士の八代英輝氏が、安全保障関連法案について「合憲」との見解を示した。

番組では、憲法学者らが安全保障関連法案について「憲法違反」と指摘したことを取り上げた。

4日、3人の憲法学者が衆議院の憲法審査会に参考人として出席し、立憲主義について意見していた。この憲法審査会は、平和安全特別委員会での議論ではなく、立憲主義について議論する場であったが、民主党の中川正春議員が「今の安保法制、憲法違反だと思われますか?」という質問した。

これに、民主党推薦の小林節・慶応大学名誉教授、維新の党推薦の笹田栄司・早稲田大学教授だけでなく、自民党推薦の長谷部恭男・早稲田大学教授までもが「集団的自衛権の行使が許されるというその点については私は憲法違反であると考える」と回答するなど、3人全員が憲法違反との見解を示した。

この憲法学者たちの発言を受け、菅義偉官房長官は同日「まったく違憲でないという著名な憲法学者もたくさんいる」と反論したが、自民党が予定する7月上旬での安保関連法案の衆院通過に疑問符が付いている状況だという。

こうした経緯が説明された後、八代氏は「私も違憲じゃないと思っていますし、法律家の中でも(同意見は)多いですよ」「自民党としても自民党の見解を言ってくれる学者さんっていうのは揃えてある」と「合憲」との認識を示した。

八代氏は、審査会当日にたまたま違憲の考えを持つ学者が3人揃ってしまったのだと指摘する一方で、政治アナリストの伊藤惇夫氏は、小林教授の「合憲と言っている憲法学者は何百人もいる中で2、3人しかいない」という見解を紹介した。

すると、八代氏は「小林先生もわりと立場変わってますけどね。スタンスはね」と反論。しかし、伊藤氏は、小林教授がかつて改憲論者であり、自民党の憲法論議における指導者の立場にいたことを説明した。

こうした議論を踏まえ、コメンテーターの伊藤聡子は、憲法学者たちは「(安保関連法案の成立を)やるならば、ちゃんと改憲をしてください」「解釈で(憲法を)変えるのはダメ」という考えを表明しているのではないかと指摘していた。



 


 





写真

世界遺産:“強制労働は韓国人だけではない”米研究者、連合軍捕虜に言及




 


 ユネスコの世界遺産委員会(WHC)は、5日、「明治日本の産業革命遺産」を、世界文化遺産として登録することを決定した。1940年代に、一部の施設で多くの韓国人が労働を強いられていたとして、登録阻止に動いていた韓国だったが、6月下旬の日韓外相会談で、一転、登録協力を表明。しかしその後、「強制労働」の表現方法をめぐり折り合いがつかず、登録審査直前になっても合意が得られない異常事態となっていた。


◆争点は強制労働をめぐる表現
 朝鮮日報は、「『強制労働』という言葉を入れるかどうかは韓日外交戦の争点だった」と述べ、韓国政府の基本姿勢が、「日本の植民地支配自体が国際法に違反したまま行われたため、その下で行われた動員は強制労働だ」というものだったと説明した。


 これに対し日本は、「労働環境が過酷だったと言っても、労働の対価を支払い、日本人とまったく同じ待遇だったので、強制労働と呼ぶことはできない」と主張(朝鮮日報)。「日本側は『強制労働』という表現が入ると、後に請求権問題の新たな口実になる可能性があると考え、韓国側に修正を要求し続けた」、というのが、同紙の分析するところだ。


◆韓国は実利に満足
 結局、ドイツのボンで開かれたWHCの5日夜の審議で、日本政府の代表が、「韓国人などが自分の意思に反して動員され、強制的に労働させられた」という内容に言及。さらに、「犠牲者を追悼するためにインフォメーションセンターの設置などの措置を取る方針」を明らかにした(ハンギョレ)。


 こうした内容はWHCの「登録決定文」には盛り込まれなかったが、注釈に「世界遺産委員会が日本の発言に注目する」という内容を付記することになったため、韓国が「日本政府が強制動員問題を事実上認める発言を引き出す『実利』を得た」とハンギョレは指摘。その他の韓国メディアも、成果を勝ち取ったと評価している。


◆日本は歴史を忘れようとしているのか?
 「産業革命遺産」登録に関しては、少数ながら欧米からも懸念の声が出ていた。慰安婦問題などで、安倍政権の歴史認識をたびたび批判している、米非営利研究団体「アジア・ポリシー・ポイント」のミンディ・コトラー所長は、世界遺産登録決定前に、ディプロマット誌に登録に反対する記事を寄稿していた。


 コトラー氏は、過去のプライドを取り戻すために、歴史の一部を語らないという安倍政権の方針を批判。さらに、観光振興に期待をかける「産業革命遺産」の候補地の多くが、安倍首相、麻生財務大臣、林農水相の地元にあると指摘し、麻生氏や林氏のファミリー企業である、麻生グループや宇部興産を含め、当時の日本の大企業が、第二次大戦中に連合軍の戦争捕虜(POW)に奴隷労働を強いていたと述べている。また、候補地となっている北九州、長崎の港は、3万5000人のPOWが入国した場所でもあると指摘している。


 そもそも日本における奴隷労働は、19世紀の明治時代から行われていたとコトラー氏は指摘。1930年代までは、服役囚、農地改革で生まれた土地を持たない農民、放浪者、女性が炭鉱労働に従事させられ、中国人、韓国人も炭鉱、工場、港湾での重要な労働力となっていたと述べる。そして世界遺産登録に当たっては、そのような日本の産業化における事実がないがしろにされていると主張する。


 同氏は、日本が伝えようとする物語は、ユネスコの判定基準である「普遍的価値と意義」に見合わないと指摘。「産業革命遺産」は日本の産業化全体の歴史を省略したもので、ユネスコがそれを受け入れることは、その憲章と、大日本帝国のために奴隷となった多くの人々の記憶にとって害となる、と述べている。


 













花岡事件70年で慰霊式



2015年07月01日 読売新聞



  • 慰霊碑に花を手向け、手を合わせる参列者(大館市で)
    慰霊碑に花を手向け、手を合わせる参列者(大館市で)



◆中国人40人含む200人参列


 大館市の花岡鉱山で1945年6月、強制連行された中国人が過酷な労働に耐えかねて暴動を起こし、鎮圧などの際に400人以上が死亡したとされる「花岡事件」から70年の30日、同市花岡町の十瀬野公園墓地で「中国人殉難者慰霊式」が行われた。事件の生存者や遺族ら中国人約40人を含む約200人が参列し、犠牲者の冥福を祈った。


 全員で黙とうした後、福原淳嗣市長が「戦時下であれ、非人道的行為は決して許されない。悲惨な事実を風化させてはならない」と述べた。遺族を代表して河北省在住の王敬欣さん(60)は、日本政府に対し、損害賠償と謝罪を求める訴訟を26日に起こしたことに触れながらも、慰霊を続ける大館市と関係者に感謝の意を表し、「歴史を心に刻み、双方の国の友好と世界平和のため、たゆまぬ努力をしよう」と呼びかけた。


 参列者は慰霊碑に水と花をささげ、事件の生存者・張広勲さん(87)は「不幸な歴史を伝えていかなければならない」とつぶやいた。大声で泣き叫び、「会いに来たよ」と慰霊碑に手を合わせる中国人男性もいた。


 20回目の参列という東京の男性(87)は「歴史に向き合っている大館の地は、平和を守る灯台の役割を果たしている」と話していた。


 











大原社会問題研究所所蔵「日炭高松炭鉱の朝鮮に於ける労働者募集状況」より

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