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新生!毎日、泣いて笑って喜んで哀しんでる、かなりラテンの血の濃い、そんな宮武嶺のエブリワンブログです!

人権擁護を目的とする日本弁護士連合会が、盗聴や司法取引を含む法律「改正」に賛成するようでいいのか!?

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2015年4月22日に衆議院第二議員会館で開催された「問題だらけの『刑事訴訟法改正案』 なぜ冤罪被害者は、反対するのか」シンポジウム。


 


 


 日本弁護士連合会の村越進会長の「2015年を振り返る」というインタビューが昨年2015年12月に、弁護士ドットコムニュースにより行われました。


 村越先生は、長い弁護士生活の中でも、非常に憲法を大事にされてきた方だということで、2年前の選挙の時にはわたくしも推薦人の末席に加わらせていただいた方です。



 


 ところが、安倍内閣が去年の通常国会に提出して継続審議となり、今国会にまた提出しようとしている刑事訴訟法「改正」案など、刑事司法改革について、


1 冤罪の可能性を高める司法取引の導入や、


2 通信の秘密を侵害する盗聴法(通信傍受法)の大幅規制緩和など、


憲法に規定された被疑者・被告人の権利を侵害し、適正手続(憲法31条)違反と思われる内容が盛り込まれているのに、ほとんど手放しで礼賛していて、わたくし、おったまげてしまったのです。 


 だって、この二つが含まれているから、安倍政権の刑事法改革法案は、現場では「毒入り饅頭」と呼ぶ弁護士も多数いるくらいだからです。


刑事司法「改革」1 毒まんじゅうを丸呑みした日本弁護士連合会は、あの上西小百合議員より劣っている。



 


 


 


 その部分はこうです。


質問者


「最も印象に残ったトピックはなんでしょうか。」


村越会長


『刑事訴訟法の改正案が国会に提出されたことです。この法案は、結局、今国会での成立は見送られてしまいましたが、国会に法案が提出され、衆議院を通過したことだけでも、非常に大きな一歩です。


 この中に含まれている取り調べの可視化は、10年前には夢みたいな話でした。司法制度改革審議会でも、「将来そんなこともあるかな」という扱いでしかありませんでした。改正案の提出は画期的だと思います。


 それだけではなく、改正案には、被疑者国選弁護の拡大や証拠リストの開示など、多くの改革が入っています。


 通信傍受の範囲が拡大することや、司法取引の導入など、批判を受けている点もありますが、必要があります。全体としてみれば、のちのち、歴史的に大きな変化をもたらしたと評価されるような法案です。



 


 確かに、最後の2行に通信傍受法と司法取引のことが触れられていますが、これらは、根本的な改悪で、とてもではありませんが


「濫用や人権侵害が起きないよう、弁護実践も含め取り組む」


ことで、適正手続や人権侵害を守れるような内容ではありません。


 まず、盗聴法の適用拡大・手続き緩和についてですが、そもそも、1999年に通信傍受法=盗聴法が制定される前は、盗聴捜査は通信の秘密を不当に侵害し、令状主義になじまないということで憲法違反の捜査方法とされていました。


 なぜなら、盗聴はその性格上、対象となる犯罪と無関係な会話まで警察が聞いて録音できてしまうので、通信の秘密(憲法21条2項後段)を侵害するからです。


 また、裁判官が令状を出すときに事前審査しようと思っても、これからどんな会話がされるか捜査機関にもわからないので令状請求の時に対象を特定できず、裁判官が捜査の必要性・相当性を判断できないからです。



山本太郎議員は参院内閣委員会で「盗聴法」と「刑訴法」の改悪がセットで出されている恐ろしさを追及した。=参院会館


 


 


 しかし、1999年に通信傍受法ができてしまったわけですが、この際、日弁連=日本弁護士連合会を中心に大反対運動を展開した結果、


1 盗聴の対象となる犯罪を組織ぐるみによる薬物犯罪、銃器犯罪、集団密航、組織的殺人に限定4類型に絞り込ませ、


2 NTTの職員が盗聴に立会しないといけない


と最小限に限定させることに成功しました。



 


 ところが、今回の法案は、盗聴対象の限定を外して、一般刑法犯である傷害・窃盗・強盗・詐欺・恐喝などにまで拡大してしまっています。


 ちなみに、特に刑法の犯罪で一番件数が多いのは窃盗で、実に一般刑法犯の4分の3を占めていますから、これに傷害だの詐欺だのを加えてしまうと、ほとんどの犯罪が盗聴の対象になると言えます。


平成26年度 犯罪白書より。平成25年認知件数 窃盗 981,233件 窃盗を除く一般刑法犯 333,250件)。




 


 


 しかも、これまでの盗聴はNTTのような通信管理者の立会が必要だったのですが、警察庁・法務省がそれは邪魔だと言いだし、立会人を排除し、通信管理者に命じて全ての通信を暗号化し警察のコンピューターに伝送させ、暗号を復元して盗聴できるようにするのです。


 ある被疑者の携帯電話、電子メールなどが盗聴対象となると、その相手方とのやり取りが全部盗聴されますから、犯罪と無関係の通信が警察に「盗み聴き・盗み見」され、プライバシー侵害がさらに大規模となることは明白です。


 末尾の記事にあるように、なんとこれまでの盗聴でさえ、盗聴した85%の会話は犯罪と全く無関係だったことが明らかになっています。


 これから一般犯罪が対象となって盗聴がどんどん行われると、それを口実に警察が膨大な通信にアクセスできますから、市民の通話やメールや室内外での会話は、警察に全部筒向けとなってしまいます。



 


 


 さらに、司法取引についていうと、これは被疑者甲が検察官と取引して、被疑者乙の犯罪を捜査機関に告白すると、甲の罪が軽くなるという制度です。


 当然、他人に罪をおっかぶせて、自分が浮かび上がろうとするに決まっています。


 その乙の中には、犯罪を本当に犯しているいるけれども事実より重い罪責を負わされる場合があるかもしれません。


 中には全くの冤罪の濡れ衣を着せられる場合だって起こるかもしれません。今までだって、「共犯者」の自白のせいで冤罪事件が多数起こっているのですから。


「刑訴法改正、捜査当局に新たな武器 冤罪防止へ一歩前進 」(日経)←実は司法取引はえん罪の温床!




 


 これに引き換え、村越現会長や日弁連執行部が手放しで誉めたたえる取り調べの可視化は全く不徹底なものです。


 本来、警察の取り調べ室で密室で長時間執り行われ、長期間代用監獄という名の警察の留置場に逮捕・勾留されて行われる取り調べが、自白強要を冤罪の温床になってきたので、「可視化」=見えるようにする、というのは、被疑者の弁護人が取り調べに立ち会う権利を認めればそれで済む話です。


 それを今回の「可視化」というのは、ごく一部の事件について、取り調べる側の警察・検察が録音・録画するから可視化だというのです。


 どこまで、捜査機関性善説に立っているのかというか、これまでも自白を強要したり、証拠をでっちあげたり隠滅したりしてきた警察・検察は、取り調べの都合のいいところ(例えば素直に自白しているところ)だけ録音・録画して、都合の悪いところ(例えば自白を強要している場面)は録音・録画しないに決まっているではないですか。


 こんな「可視化」=アンコのために、盗聴の拡大や司法取引の導入という猛毒が入っている毒入り饅頭=刑事司法改革法案を丸呑みするだなんて、信じられません。


刑事司法関連法案の通信傍受法=盗聴法拡大、司法取引はもちろん、中途半端な取調べ可視化にも反対する。



 


 今度の刑事司法改革法案に良い部分があったら、そこの改正だけ賛成して、盗聴の拡大や司法取引の導入には反対したらいいじゃないですか。


 特に、取り調べの「可視化」が規定されるのは刑事訴訟法ですから、それと全く別の法律である盗聴法=通信傍受法の「改正」案にまでなぜ賛成しなければいけないのか、本当にさっぱり私にはわからないのです。


 それこそ、村越会長や日弁連の執行部に取調室で聞きたいくらいの話です。


 私の大好きだった弁護士会はどこに行ってしまったのでしょうか。



 一括法案を出すなんて言うわかりやすい誤魔化しに、どうして弁護士たちが騙されてしまうのか。


 


 


 















盗聴法の総合的研究―「通信傍受法」と市民的自由
小田中 聡樹 (監修), 右崎 正博 (編集), 田島 泰彦 (編集), 川崎 英明 (編集), 奥平 康弘
日本評論社

盗聴法の内容上・制定過程上に存在する基本的な問題性の認識に立ち、憲法学および刑事訴訟法学の立場から改めて盗聴法を総合的に検討する。海外の盗聴法制の考察、および、関係規則類や盗聴の実施例などの資料も収録。

















日本版「司法取引」を問う
白取 祐司(編著) (著), 今村 核(編著) (著), 泉澤 章(編著) (著)
旬報社

刑事司法改革の原点は冤罪を防止することにあったはず…。いま、新たに導入されようとしている日本版「司法取引」制度は、冤罪を生む構造的な危険性をはらんだ制度であることを正確に捉えなければならない。その制度化の是非も含めて、もう一度徹底した議論が必要ではないだろうか―。






弁護士会愛から敢えてという記事でした。


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日本弁護士連合会会長選挙の中本和洋候補のHPより


えん罪を生まない刑事裁判と努力が報われる刑事弁護制度を実現する



今般の刑事訴訟法の改正は、日弁連が実現を目ざしてきた取調べの可視化を一部ではあるが法制化し、また、被疑者国選の拡充、証拠一覧表の交付制度新設など、刑事司法改革に一定の成果があったといえる。


しかし、いわゆる「司法取引」が新設され、通信傍受法の適用が拡大されるなど、被疑者・被告人のみならず、一般市民の人権にも関わる問題をはらんでいる。


えん罪を生まない刑事裁判と努力が報われる刑事弁護制度を実現するために取り組みの力を緩めてはならない。




  1. 裁判員裁判制度のさらなる改革
    裁判員裁判制度が定着するに伴い、裁判官裁判においても供述調書に頼らない被告人質問先行型の口頭主義・直接主義の公判が実現しつつあることは、刑事司法改革の成果のひとつといえる。
    施行後5年を経過し、見直しが行われている裁判員裁判制度については、否認事件への対象事件拡大、事実認定と量刑の分離、死刑判決要件の厳格化などに取り組むべきである。

  2. 努力が報われる国選弁護制度
    今般の刑事訴訟法の改正により、勾留されたすべての被疑者に被疑者国選弁護人制度が拡充される。弁護士会の受任体制をより万全のものにしなければならない。最大の問題は、少年事件を含む国選刑事弁護活動の大半が、若手会員による採算を度外視した献身的努力によって支えられている実態である。しかも、現行報酬基準では、弁護活動の成果が正当に評価されず、内容にかかわらず接見回数を増やすほど報酬が高く算定されるなどの不合理が指摘されている。報酬の高額化と報酬基準の改正を早急に実現し、努力が報われる国選弁護制度の実現に取り組む必要がある。

  3. 取調べの全過程の可視化及び弁護人立会権の実現
    取調べの可視化は、限定的な実施にとどまった。しかし、法改正の過程で最高検察庁が発した依命通知による可視化対象事件の拡大でも明らかなとおり、風穴のあいた可視化の全面的実施は歴史的すう勢である。3年後の見直しに向け、参考人を含む全過程の可視化及び弁護人立会権を実現させるための取り組みをさらに強化する必要がある。

  4. 「人質司法」を打破する勾留代替制度
    今般の改正刑事訴訟法においては、「人質司法」の実態は放置されたままである。わが国の勾留制度は、国連拷問禁止委員会による代用監獄制度廃止勧告に何ら答えていない。改正法は、わずかに裁量保釈における考慮事項を明文化したに留まっており、極めて不十分であり、勾留代替制度の創設に向け働きかけを強化すべきである。

  5. いわゆる「司法取引」制度への対策
    改正刑事訴訟法では、一定の犯罪を対象とした「捜査・公判協力型協議・合意制度」及び「刑事免責制度」(いわゆる「司法取引」)が新設された。可視化が限定的でかつ旧態依然とした勾留制度のもとでの司法取引は、虚偽供述や引込み供述を増加させるなどの弊害が予想される。新制度の危険性を関係者に周知するとともに、抜本的見直しを求めるべきである。

  6. 全面証拠開示の実現
    改正刑事訴訟法は、検察官手持ち証拠リスト開示を義務化したが、より直截に全面証拠開示が実現されるべきである。
    また、再審請求審においても、修正された附則や衆議院の附帯決議の趣旨を推し進め、通常審の証拠開示規定が準用される制度を追求すべきである。

  7. 通信傍受法の適用拡大への対策
    刑事訴訟法の改正に際し、通信傍受の対象が一般刑事事件にまで拡大され、傍受手続も簡略化された。通信傍受は、個人のプライバシーを侵害する捜査手段であり、制度の濫用による人権侵害が懸念される。新制度の運用を厳しく監視し、第三者機関の設置要求も検討する必要がある。


 


 





 


 日本弁護士連合会(村越進会長、会員約3万7千人)の次期会長選が6日、公示された。元大阪弁護士会会長で元日弁連副会長の中本和洋氏(69)と、東京弁護士会所属の高山俊吉氏(75)が立候補を届け出た(届け出順)。届け出期間は12日までだが、今のところ両氏以外に立候補の動きはない。投開票は2月5日で、任期は4月1日から2年間。


 法科大学院の志願者は減少を続け、2015年度は過去最少となるなか、法律家を養成する制度の改革策などが争点になりそうだ。中本氏は弁護士の活動領域を広げるべきだと主張する一方、高山氏は法科大学院制度の廃止を訴えている。


 取り調べの録音・録画を柱とする刑事司法改革に対しては、中本氏は関連法案の今国会での成立を推進する立場。高山氏は通信傍受の対象犯罪の拡大が法案に盛り込まれていることなどから、法制化に反対している。


 日弁連の規定の変更で、今回の会長選からウェブサイトを利用した選挙運動が可能になった。それぞれの専用サイトは中本氏(http://日弁連会長選挙.jp/)、高山氏(http://takayama2016.com/別ウインドウで開きます)。




 


 






2016年01月13日 17時52分 弁護士ドットコム



日弁連会長選、候補者に中本氏と高山氏ーー法曹養成制度のあり方など争点に

選挙管理委員会委員長の新保克芳弁護士

 



日本弁護士連合会は1月13日、日弁連次期会長選の候補者2名を発表した。大阪弁護士会元会長で日弁連元副会長の中本和洋弁護士(69)と、東京弁護士会の高山俊吉弁護士(75)(届け出順)。投開票は2月5日で、全国の弁護士約3万7000人に投票権がある。任期は4月から2年間。村越進・現会長の任期は3月末で満了する。


争点の一つとなりそうなのが、司法試験をはじめとした法曹養成制度のあり方だ。中本弁護士は、法科大学院について、ネットを活用した授業や夜間学習の充実など、志望しやすい環境を早急に整備することを主張。一方で、高山弁護士は、法科大学院制度の廃止を訴えている。


今後は、各地で公聴会を開き、政策を訴えていく。選挙管理委員会委員長の新保克芳弁護士によると、今回の選挙から、候補者は選挙用のホームページを開設することができるようになった。電子メールを利用した選挙活動も可能。ただし、メールはBCCで選挙管理委員会に宛てても送信する必要がある。また、フェイスブックなどのSNSを用いた活動は禁止されている。


●武井咲さんをポスターに起用


また、日弁連は同日、広報活動の一環として、女優の武井咲さんをポスターに起用し、裁判所をはじめとした各施設に掲示することを発表した。全国の法律相談センターを知ってもらい、弁護士を身近な相談相手として知ってもらうことが目的だ。約10万枚を全国に配布し、裁判所や官公庁、一部の郵便局をはじめ、イオンモールなどの民間施設で1年間掲示する。


この日に開かれた記者会見で、日弁連副会長の長田正寛弁護士は、「全国的に法律相談の件数が落ち込んでいる。ポスターを通じて、法律相談センターの存在を知ってほしい」と期待を寄せた。


(弁護士ドットコムニュース)


 


 



2015年12月29日 09時05分 弁護士ドットコム



「取り調べ可視化、10年前は夢みたいな話だった」日弁連会長が2015年を振り返る

村越進・日弁連会長

 



安保法案の成立、司法試験をめぐる問題など、2015年は、司法をめぐる大きなトピックがいくつもあった。そんな動きのなか、日本弁護士連合会(日弁連)は会長声明や意見書を通じて、社会に様々なメッセージを発信してきた。弁護士ドットコムニュースは日弁連の村越進会長に単独インタビューを行い、注目すべきトピックを中心に「2015年の振り返り」を聞いた。(取材・構成/並木光太郎)


●刑事訴訟法の改正案提出は画期的


ーー最も印象に残ったトピックはなんでしょうか。


刑事訴訟法の改正案が国会に提出されたことです。この法案は、結局、今国会での成立は見送られてしまいましたが、国会に法案が提出され、衆議院を通過したことだけでも、非常に大きな一歩です。この中に含まれている取り調べの可視化は、10年前には夢みたいな話でした。司法制度改革審議会でも、「将来そんなこともあるかな」という扱いでしかありませんでした。改正案の提出は画期的だと思います。


それだけではなく、改正案には、被疑者国選弁護の拡大や証拠リストの開示など、多くの改革が入っています。通信傍受の範囲が拡大することや、司法取引の導入など、批判を受けている点もありますが、濫用や人権侵害が起きないよう、弁護実践も含め取り組む必要があります。全体としてみれば、のちのち、歴史的に大きな変化をもたらしたと評価されるような法案です。


ーー日弁連の活動としては、どのようなことが印象に残っていますか。


民事司法改革について、最高裁と日弁連とで非常によい協議ができたことがあげられます。日本の民事裁判の制度は、以前から「利用しにくい」と言われてきました。原因はいろいろありますが、一つ挙げると、強制執行の制度の使いにくさです。


たとえば、AさんがBさんに対して、貸したお金の返還を求めて裁判を起こして、裁判所から「BはAに1000万払いなさい」という判決を勝ち取ったとしましょう。判決は、そのままではただの紙切れです。強制執行をして、実際にお金が戻ってきて、ようやく意味があります。


しかし、今の制度では回収する手段が限られています。せっかく裁判で勝ったとしても、お金は取り戻せず、泣き寝入りというケースも少なくありません。こうした点を改善して、民事裁判をもっと役に立つものにしたいと考えています。


どのような制度にすべきか、最高裁と協議を重ねてきました。今後は、協議の内容をまとめて、法改正について法務省とも協議していきたい。


●法律家団体として、言うべきことは言っていく


ーー秋に成立した安保法制についても、日弁連は反対声明を発表するなど活発に動いてきましたが、どう振り返りますか。


衆議院の憲法審査会で、早稲田大学の長谷部恭男教授をはじめ、3人の憲法学者が「この法案は違憲だ」と明言したことが、一番印象的でした。あれで世の中の雰囲気がすごく変わりました。学者や元裁判官は本来、表に出て発言をする人たちではありません。そのような人たちが、「この法律は憲法違反だ」と、表に出ていったのは、本当に大きなことです。法案に対する国民の関心を大きく高めたと思います。


ーーしかし、結局、法案は成立してしまいました。


憲法違反である以上、今回の法律ができてしまったのだから、「成立したからそれで終わり」というわけにはいきません。法律家団体として、今後も憲法上の問題点や国会審議の過程で明らかになった問題点をまとめて、国民にわかりやすく伝えていきたいと思います。


ーー日弁連が強制加入団体であることから、特定の法案や制度について賛否の態度を示すのはいかがなものかという声もあります。どのように考えていますか。


たしかに、日弁連は強制加入制の法律家団体ですが、その使命は、人権を守ることです。特定の政権・政党に、賛成や反対をしているわけではありません。人権を守るためには、平和でなければならないし、立憲主義も守られなければなりません。そこが危うくなるような事態については、法律家団体として、最低限言うべきことは言わなければならないと考えています。


安保法案については、『立憲主義を壊してはいけない』というのが、日弁連としての最大公約数だと考えています。いろいろな意見の人がいると思いますが、ここは一致してやられなければならないと考えています。


●数だけ追求しても社会のニーズに応えられない


ーー法科大学院の統廃合が続き、法曹を目指す人が激減しています。こうした現状をどう見ていますか。


法曹をめざす若者を増やすことが大切です。


法科大学院の数や、入学人数をもっと絞って、当初言われていたように「真面目にやれば、7割〜8割が受かる」という司法試験にしなければならないと思います。また、弁護士の就職難も深刻な問題です。時間とお金をかけて司法試験に受かっても就職できないような状態だと、やはり法曹を目指す人は増えないでしょう。そう考えると、合格者はやはりすみやかに1500人にするべきと考えています。法科大学院生・司法修習生の経済的負担の軽減もきわめて重要です。


ーー合格者数をもっと増やして、自由競争に任せればいいのではないかという意見もありますが、どう考えますか。


もともとの「合格者3000人を目指す」という閣議決定は、そういう方向性でした。ですが、新司法試験が始まったこの10年で、それは間違いだったということが明らかになりました。質を考えることなく数だけ追求すると、かえって世の中にとってマイナスとなるのではないでしょうか。ふつうの業界であれば、良貨が悪貨を駆逐して、ダメな人はいなくなると言えるかもしれないが、弁護士業界はそう簡単なものではないと考えています。


ーー法科大学院を修了しなくても司法試験を受けることができる「予備試験」の合格者が増えていますが、どう見ていますか。


「予備試験を突破して司法試験に合格するのが、エリートコース」といったことも言われていますが、そこから受かる人がどんどん増えていくのがいいことなのかは疑問です。


知識詰め込み型の一発試験の弊害が指摘されて法科大学院制度ができたのだから、あくまで法科大学院を基本に考えるべきです。予備試験は、法科大学院に行く経済力がない人や、社会経験があるから法科大学院に行かなくてもいいという人のための、例外的な枠だったはずです。いまは「ショートカットコース」として捉えられている面がありますが、あるべき姿とは違います。


<了>


(弁護士ドットコムニュース)


 


 


通信傍受85%が事件と無関係 8万8千回、通知なし


2015年06月05日 03時00分 西日本新聞


 2000年施行の通信傍受法に基づいて、組織的な薬物犯罪などの捜査で通信傍受が計約8万8千回行われ、うち85%は事件とは無関係な内容だったことが4日、分かった。無関係な通信傍受は当事者に通知されない。国会で審議中の同法改正案は、現行法が4分野に限定した傍受対象の犯罪に詐欺や窃盗など9分野を加える内容で、知らない間に通信傍受されるケースが格段に増えるのは確実だ。


 現行法は、傍受対象を組織ぐるみによる薬物犯罪、銃器犯罪、集団密航、組織的殺人に限定。法務省が運用状況を毎年、国会に報告している。14年までの15年分を同省がまとめ、改正案を審議する衆院法務委員会で説明した。


 それによると、捜査機関は283件の傍受令状を裁判所に請求し、281件で認められた。8万7814回の電話やメールを傍受したが、事件と関連があったのは15%に当たる1万3499回のみ。傍受によって計525人を逮捕した。


 一方、85%の7万4315回は事件と無関係で、大半は容疑者と家族らの日常会話とみられる。11年のある銃刀法違反事件捜査では、傍受した2721回が全て事件と無関係だった。


 通信傍受法は捜査機関に対し、事件に関係する傍受内容だけを記録にまとめ、傍受相手に30日以内に通知するよう義務付けている。通知を受けた人は記録消去を求めて不服申し立てができる。無関係な内容は捜査機関の記録から削除され、容疑者と通信相手には通知もされない。削除に通信事業者ら第三者の立ち会いはなく、捜査機関を信用するしかない。裁判所には無関係な部分も含め全記録が一定期間保管される。


 改正案では傷害、放火、恐喝、児童ポルノ事件でも組織的犯罪の疑いがあれば傍受できる。犯罪との関係の有無は通信を聞いてみないと分からず、無関係な通信が傍受されるのは法律の構造的な問題といえる。法務省は「捜査に関係があるかどうか判断するため、極めて最小限、限定的に傍受しており、手続きを適正に踏んでいる」と説明している。


 ◆悪用防止へルールを


 ジャーナリストの大谷昭宏さんの話 プライバシー侵害は高価な物を盗まれるより重大な場合がある。犯罪と無関係な部分は削除しているという捜査当局の説明も第三者による検証はできず、根拠が示されていない。収集した情報の漏えいや悪用を防止し、処罰するルールが必要だ。


=2015/06/05付 西日本新聞朝刊=


 





 


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