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【改憲バカ】菅官房長官が熊本地震に際して「緊急事態条項を憲法改正で新設することは極めて重く大切」

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きんきゅう11 


 安倍政権は本当は国民の安全なんてどうでもよくて、とにかく改憲がしたいだけなんだなとあきれました。

緊急事態条項「極めて重い課題」 熊本地震で官房長官 

2016/4/16 0:33 日本経済新聞

 菅義偉官房長官は15日の記者会見で、熊本地震に関連し、大災害時などの対応を定める緊急事態条項を憲法改正で新設することについて「極めて重く大切な課題だ」と述べた。「憲法改正は国民の理解と議論の深まりが極めて重要だ」とも語り、慎重に検討すべきだとの立場を示した。


 自民党は野党時代にまとめた憲法草案で、緊急事態条項の新設を明記している。


 



 

 これ、今言うべきことですか?


 4月14日夜に最初に来た震度7の地震は実は前触れにすぎず、実は15日未明のマグニチュード7・3震度6強が本震だとか、いやまだ本震が来るかも知れないといわれています。


 多数の余震が続き、しかも震源が東の大分の方に移っていっているという状態。


 そんな中、阿蘇山も噴火しました。


 亡くなった方、怪我をされた方も増え続け、避難者も多数に上っています。








 

 

 こんな事態の中、安倍内閣のスポークスマンたる官房長官が言うべきことが、緊急事態条項を憲法改正で新設することについて


「極めて重く大切な課題だ」


などと改憲を持ち出すことなんですか。


濱田邦夫元最高裁判事が断言。自民党改憲草案の緊急事態条項、「正気の人が書いた条文とは思えない」!

 

 

 いや、改憲至上主義の安倍政権にとっては今が緊急事態条項を持ち出すチャンスなんです。菅官房長官が記者会見で改憲について触れたのは偶然ではありません。


 こういうのをショック・ドクトリン=「惨事便乗型政策転換」と言います。


 まさに、改憲派にとっては、人の不幸は改憲のネタでしかないのです。


 ニュースで刻々と映る九州の被害が、すべて国民の人権を制限できる非常事態宣言である緊急事態条項導入に利用されます。


 災害専門の法律家たちが口を酸っぱくして、憲法への緊急事態条項導入など百害あって一利なしだと言っているのに。


 安倍政権の闇は本当に根深いと言わざるを得ません。




緊急事態条項発動で、災害救助をしていたはずの自衛隊が、国民の人権を抑圧する側に回りかねない。





 

関連記事

[報道ステーション]ワイマール憲法から学ぶ自民党憲法草案緊急事態条項の危うさ (文字起こし)【全編】

毎日新聞特集ワイド、「本当に必要?『緊急事態条項』」。「関東大震災では戒厳令で軍や警察が弾圧した」

岡田民主党代表の「改憲の緊急事態条項は政令で国民の権利を制限できるナチスへの道」という断言は正しい。

フランスの非常事態宣言より100倍ヤバい、人権停止がエンドレスの自民党改憲草案「緊急事態条項」。

安倍政権「災害対策名目の緊急事態条項から改憲に着手」と政権幹部。でも、現代の戒厳令は超危険!

安倍首相が「改憲は緊急事態条項から」。阪神、東日本大震災などの災害弁護士たちは不要だと言っています。

自民党とヒゲの隊長佐藤正久議員が「緊急時における個人の自由・権利制限は、憲法で明記すべき」

憲法記念日 安倍政権の「自由民主党 日本国憲法改正草案」に見る緊急事態条項=戒厳令の恐怖

 


 

端的に言って、人でなし、と言っていいでしょう。


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特集ワイド

本当に必要? 「緊急事態条項」

 
うずたかく積み上げられたがれきの上に立つ自衛隊員。憲法に緊急事態条項を新設すれば、救助活動などは円滑に進むというのか=岩手県宮古市で2011年4月3日、大西岳彦撮影
 

 安倍晋三首相は最近、「挑戦」との言葉を多用する。その胸中をそんたくすれば、最も挑戦したいのは憲法改正だろう。そして今、永田町では「緊急事態条項」を新設する改憲論が浮上している。戦争や大災害などが起きた場合、首相に権限を集中させるこの条項は、基本的人権を過度に侵害する危険性もある。本当に必要なのか。【江畑佳明】

 

災害も攻撃も「既存法で対応可能」

 安倍首相の発言をたどってみると、昨年より改憲に前向きな姿勢を感じ取れる。例えば先月19日の参院予算委員会での答弁では緊急事態条項の必要性に踏み込んだ。「大規模な災害が発生したような緊急時において国民の安全を守るため、国家そして国民自らがどのような役割を果たしていくべきかを憲法にどのように位置付けるかは極めて重く、大切な課題と考えている」


 確かに、沿岸部に壊滅的な被害をもたらした東日本大震災の記憶は今もなお鮮明だし、首都直下や南海トラフなどの大地震も高い確率で発生すると指摘されている。世界に目を向ければ、収束しないテロや北朝鮮のミサイル問題などがあり、緊急事態条項は必要−−と納得しそうだ。


 この条項を盛り込んだ自民党の憲法改正草案を確認しよう。条項の概略は、武力攻撃や大災害などが起きた場合、首相が閣議で「緊急事態」を宣言すると▽法律と同じ効力を持つ政令の制定が可能になる▽国民には国や公共機関の指示に従う義務が生じる−−というものだ。


 だが「憲法に緊急事態条項を入れる必要性は全くありません」と断言するのは、災害の法律に詳しい弁護士の小口幸人(おぐちゆきひと)さんだ。小口さんは2010年春、岩手県宮古市へ赴任。震災後、市職員らに法律の助言をするなかで、災害対策基本法などの法律が効果的に運用されていないと痛感した。その例が、津波で破壊された家屋の所有者が、行方不明者の捜索を拒んだ時の対応だった。悩む市職員への助言は「災害対策基本法では、市長の判断で建物の一時使用や収用、除去までできると定めてあります。必要なら、当然立ち入りもできます。立ち入り検査に関する条文もあります」。


 また同法は政府が強い権限で災害対応に臨めるよう、首相による「災害緊急事態の布告」を定めている。国会閉会中でも緊急の必要がある場合、政令を出し物価を抑えたり、債務支払い延期を決めたりすることが可能。表を見てほしい。一例だが、緊急事態に対応する法律に致命的な不備があるとはいえないだろう。


 小口さんは切実な表情でこう訴える。「憲法に緊急事態条項があったら大震災で起きた数々の悲劇を食い止められたのかといえば、そうではない。今の法律を十分に使いこなせなかったのが問題。被害を最小限に抑えるのは、法整備やその周知、訓練などを含めた事前の準備。大震災を改憲のダシにしないでほしい」


 1人の弁護士の意見にとどまらない。岩手、宮城、福島、新潟、兵庫といった大震災を経験した自治体を含む計17の弁護士会は、緊急事態条項の新設に反対する声明を出している。被災地は緊急事態条項を求めてはいない。


 テロや武力攻撃を理由に条項の設置を求める意見には、有事法制に詳しい早稲田大の水島朝穂教授(憲法学)が反論する。「既に警察法や自衛隊法などに過剰ともいえる仕組みが存在し、対応は可能。例外的権限を憲法に導入すれば、誤用、乱用、悪用の危険が増してくる」


戦前に経験「行政フリーハンド化」

 緊急事態条項がないのは憲法の欠陥だ、という意見も改憲派からはよく聞かれる。だが、憲法に詳しい弁護士の伊藤真さんは「先人の知恵の産物であり欠陥ではありません」と切り出し、憲法の制定過程を交えて解説する。


 連合国軍総司令部(GHQ)と日本側が緊急事態条項を巡って議論した際、GHQは「憲法に明文を置かなくても、内閣が超憲法的に対応すればよい」という趣旨の主張をしたが、日本側は「緊急事態条項のあった明治憲法以上の弊害が起きうる」と反論。激論の末、緊急時に衆院議員が不在でも参議院で緊急集会の開催が可能と憲法54条2項に明記された。参院の改選は定数の半分なので、国会議員がゼロになる事態は起きない。「緊急時は参院が立法府として対応できる」と伊藤さん。改憲派は「議員の任期を特例で延長できるよう定めておくべきだ」とも主張するが、その必要はない。


 「明治憲法での弊害」というのは、議会にかけずに発する緊急勅令などが発令された後に起きた不幸な事件を指す。関東大震災(1923年)では政府が戒厳を布告。軍や警察などによる無政府主義者などへの弾圧につながった。日本には緊急事態条項がもたらした苦い経験がある。


 これが念頭にあったのだろうか。現憲法の制定に尽力した金森徳次郎憲法担当相は46年7月、帝国議会衆院憲法改正案委員会で次のように語った。「緊急勅令及び財政上の緊急処分は行政当局者にとりましては実に調法なものであります。しかしながら(略)国民の意思をある期間有力に無視しうる制度である(略)。だから便利を尊ぶかあるいは民主政治の根本の原則を尊重するか、こういう分かれ目になるのであります」


 伊藤さんは力説する。「当時の政治家は緊急事態条項が乱用される危険性を認識し、明治憲法下での人権侵害を反省していました。たとえ一時でも、為政者をフリーハンドにしてはいけません」。先人の反省は極めて重い。


先進国に例ない「長期の人権制限」案

 安倍首相は「多数の国が緊急事態条項を採用している」とも言う。だが、前出の水島さんは「『他国にあるから日本も』というのは稚拙な議論。しかも各国の緊急事態条項は、権力者が暴走しないよう工夫されている」と指摘する。


 例えばドイツ。68年に緊急事態条項が憲法に入れられたが、政府の判断だけでは発動できず、国会(危急の際は48人の非常議会)の決定が必要。憲法裁判所の活動は妨げられない。水島さんは「それに比べて」と、自民党の憲法改正草案に話を移した。


「緊急事態宣言の国会承認は事後でも構わないなど政府の暴走にブレーキをかける仕組みが弱い。宣言が100日を超える場合は国会の承認が必要とあるが、一度にそんな長期間、特別の人権制限を続ける規定は、民主国家では聞いたことがありません」


 緊急事態条項に「NO」を突き付けた上で、語気を強める。「こんな現実味のない論議よりも、国民生活を安定させる施策に尽力すべきだ」。国会議員は本業を怠っているという批判だ。


 自民幹部からは「緊急事態条項なら国民に受け入れられやすい」という「お試し改憲論」が聞こえてくる。繰り返すが、緊急事態条項は一時的にせよ、憲法で定める三権分立を停止して人権を制限しうるのだ。こんな「お試し改憲」が許されるのだろうか。


 ◆緊急事態に対応する法律の例

災害対策基本法 

<首相の権限>

・災害緊急事態を布告できる

・内閣は物価の抑制や債務支払い延期などを政令で制定できる

・政令を制定したときは、直ちに国会の臨時会を召集するか、参院の緊急集会を求める

<市町村長の権限>

・居住者へ避難のための立ち退きを指示することが可能

・他人の土地の一時使用が可能

災害救助法

<都道府県知事の権限>

・医療、土木建築工事、輸送関係者を救助の業務に従事させることが可能

・病院やホテルなどの施設を救助のために管理できる

・現場にいる者を救助業務に協力させることが可能

大規模地震対策特別措置法

<首相の権限>

・地方公共団体の長や指定公共機関(日本赤十字、NHKなど)へ必要な指示が可能

原子力災害対策特別措置法

<首相の権限>

・原子力緊急事態宣言の発令をする

・都道府県知事、市町村長に対し、避難のための立ち退きなどの指示・勧告をする

自衛隊法

・首相は緊急事態に際し、自衛隊の出動を命じることが可能

警察法

・首相は緊急事態に際し、一時的に警察を統制し、警察庁長官を直接に指揮監督する

 


 

憲法改正による「緊急事態条項」創設は、災害の現場にとって有害・危険・邪魔でしかない

投稿日: 2016年03月27日 18時21分 JST 更新: 2016年03月28日 07時53分 JST ハフィントンポスト

OKAWA SCHOOL

緊急事態条項(国家緊急権)を憲法に盛り込もうという動きが急速に強まっている。参議院選の一つの争点になる可能性も濃厚だ。

今のところ具体的な案としては、自民党の日本国憲法改正草案98条・99条しかないが、その内容自体、とても問題が多い。

この分野の第一人者の永井幸寿さん(弁護士)はナチス以上の強権だと指摘し、憲法学の木村草太さんは「内閣独裁条項」と喝破した。


私も全く同感で、自民党の緊急事態条項案は、一人ひとりの市民にとって、あるいは立憲主義社会にとって「劇薬のパッケージ」でしかない。

ただ、その点は別稿に譲ることにし、ここでは、「災害の現場に緊急事態条項が必要だ!」という誤った見解をきちんと正しておきたい。

たとえば、"震災関連死が1632名も出たのは憲法に緊急事態の条文がなかったからだ"などという言説が飛び交っているが(日本女性の会 公式ブログなど)、これなどは災害現場を知らないがゆえの大きな誤りと言わなければならない。

東日本大震災で起きたいくつかの出来事を例にとって、考えてみよう。


■トップ制御は、現場に深刻な思考停止をもたらす‥‥【有害】

「緊急事態条項」というのは、ひとことで言うと、国のトップに全ての判断を委ねる超法規的な措置である。

もし本当に緊急事態条項が適用されたらどうなるか。現場は、トップの指示待ちモードに陥って思考停止となるだろう。

(1) 宮城県石巻市での大川小学校では、児童・教職員84名が死亡・行方不明という悲惨な結果を生んだ。その原因について検証委員会が報告書をまとめている。

事実未解明な部分も多いが、ここで注目すべきは、そのときトップで指揮するはずの校長が不在で、現場の教職員たちは指示を仰ぐため校長や市教育委員会に電話をかけたがつながらず、裏山に登って逃げたいという児童の意見は無視され、その結果、無為に50分が過ぎて津波に巻き込まれてしまった点である。

その場にいる当事者の意見よりも、その場に不在のトップの指示を優先しようとした組織人的なスタンスが痛恨の極みである。


(2) これと対照的に、岩手県釜石市では、市内の小中学校の児童・生徒が即座に避難した。その生存率は99.8%にのぼり「釜石の奇跡」と言われている。

平素から指導に当たっていた片田敏孝(群馬大教授)は、「想定にとらわれず、自ら率先してベストを尽くせ」と子どもたちの各自の判断を尊重する防災教育を浸透させてきた。上意下達の組織判断ではなく、一人ひとりの自律性の尊重。そのスタンスが命を守ったのである。

大災害時の緊急事態で、一人ひとりが持っている権限を吸い上げ、トップにそれを集中するよう切り替えるなどという条項は、現場の思考力を停止させる有害な条項だ。


■中央主導の災害対策は命を危険にさらす‥‥【危険】

(1) 原発事故では、突然の強制避難を強いられたために患者50人が犠牲となった福島県大熊町の双葉病院事件が知られているが、これは原発事故避難計画を立てていなかったことに大きな原因がある。計画の作成を求めなかったのは、ほかならぬ国である。


(2) 国はSPEEDI(緊急時迅速放射能影響予測ネットワークシステム)によって、ほぼ正確に放射能飛散を予測していた。しかし、混乱等を心配してその公表を避けた。

福島県浪江町の馬場有・町長は、政府から連絡ひとつ無い中、テレビを見て自主的に全町避難を決断し、北西方向に避難した。その避難路は、放射性物質の飛散方向と一致しており、放射能汚染地域をなぞるように避難したのだ。政府事故調はSPEEDIの情報が提供されていれば「より適切な避難経路や避難方向を選ぶことができた」と指摘した。

国は、事前にも、事後にも、正しい判断をするとは限らない。国益優先、混乱防止、秩序維持のためであれば、一人ひとりの命は後回しになる可能性が高い。

現にそのようなスタンスで一人ひとりが犠牲にされている政策は、枚挙に暇がない。


(3) 私は、地域で700数十名が死亡・行方不明となった宮城県名取市の閖上地区の第三者検証委員会の一委員として惨事の原因究明に当たった。

その中で、分かったことだが、市は1999年に住民と共に津波8m予想の「津波防災マニュアル」を作成していた。ところが、2004年に宮城県が2.6mの統一的な津波被害想定を出したため、甘い想定で海に近い公民館を避難場所に指定したという事実があった。現場のことは現場が判断するのが正しく、現場から離れた上位者に従うのは危険。そう感じた。

緊急事態条項は、一人ひとりの小さな命よりも国益や統一性を重んじた災害対策となりがちであり、それを容認するシステムであるから、私たち一人ひとりの命にとって、むしろ危険というべきである。


■権限集中は180°逆方向‥‥【邪魔】

先に紹介した日本会議の女性組織は、震災関連死の原因は、緊急事態条項が憲法に欠けていたところにあるなどとコメントしていたが、ピントはずれも甚だしい。政府の見解も同様だ。

(1) 確かに、災害直後の避難所や仮設住宅での暮らしはひどいものだった。被災者の方々を思い浮かべると今も胸が詰まる。

では、そこに欠けていたものは何か?ひとことで言えば、「人権保障」の軽視である。もし、緊急事態条項が働いていたら、人権保障を停止してしまうのだから、被災地の状況はさらに悪化し、想像を絶する悲惨な状況に置かれていたに違いない。

法制度の技術面でいうと、①第1に災害救助法が戦後直後を想定した古すぎる運用水準であること、②第2に災害救助の実践があまりにも準備不足だったこと、③第3に災害救助の実施権限が都道府県(災害対策基本法は市町村)という権限の複雑なねじれがあったことが原因だ。

この点は、東日本大震災前からも、発災直後も指摘されていたが、未だに改善されず放置されている。平時における国の怠慢にほかならない。

その結果、必然的に生じたのが災害関連死。2016年2月末時点で岩手・宮城・福島3県の関連死者数は3405人にのぼり、今も増え続けている。

関連死を防ぐために必要なのは、中央の緊急事態条項ではない。一人ひとりの被災者に寄り添う現地の人々の手とつながりだ。

2016年3月末、陸前高田市での相談の場で、ある被災者が「震災直後より今の方が辛い」と語った。空想の世界における災害対応の前に、いま目の前で苦しんでいる被災者に対して為すべきことがあるだろう。

関連死の防止を最優先課題に挙げることさえしない政権に、関連死を引き合いに出して、改憲を語る資格はない。


(2) 東京新聞が被災自治体の首長にヒアリング調査したところ、緊急事態条項が必要だとする意見はほとんどなく、「むしろ現場に権限を下ろしてほしい」と語った。菅原茂・気仙沼市長は、「緊急事態条項があれば、人の命が救えたのか。災害対策基本法の中にある災害緊急事態条項で十分だ」と明快にコメントを寄せている。

私たちが独自に被災地自治体に調査をした結果もほぼ同じだった。首長たちは目の前の被災者を救うために、中央から具体的な権限の移譲を求めていた。災害対応のために改憲を望む声など、無きに等しかった。

もし、「いざというときは中央がなんとかしてくれる」と思ったら人はどうなるだろう。日頃の多忙を優先して、準備を怠る可能性が大である。現場における災害への日常の備えに対するブレーキとなることは必至だ。

結局、緊急事態条項は、現場や自治体から権限を奪って日頃の準備を鈍らせ、ピント外れの中央目線で被災地を仕切ることにより現場に混乱をもたらし、被災者を苦しめる邪魔物でしかない。


■緊急事態条項を憲法化しようとする真意とは

緊急事態条項が、災害の現場にとって「有害」であり、「危険」であり、「邪魔」であることは、ここで挙げた一例にとどまらず、たくさんの立法事実によって説明できる。

東日本大震災で「おかしい」と指摘されてきた事態は、立法事実に基づき、個別の災害法制を正すことによって、制度的にはすべて解決することができる。

むしろ、憲法をいじるよりも、個別の法制をメンテナンスしないと現実に役立たない。なぜなら、現場の行政は、憲法の条文をめくるより前に、個別の災害法制の規定に従って働くからだ。当たり前だ。

災害をダシにして、緊急事態条項を憲法化しようとする動きは、立法事実に真っ向から反するものであって、法的にはまともな議論とはいえない。

おそらく、①災害の現場や法制を知らない善意の意図か、②これを機会に改憲を実現しようとする目論見か、どちらかだろう。

私たちは、前者の方々には災害の現実を知っていただく努力を尽くしたい。そして、後者の方々には正面から意図を問い質したい。


 

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10 Comments

憂う一市民 says..."困ったものです"
緊急事態条項のこと、やはり言ってきましたか。とんでもないですよ。
安倍政権には退陣してもらうしかありません。
2016.04.16 16:57 | URL | #- [edit]
一国民 says..."憲法は政権を縛るものであることを忘れている"
このどさくさに紛れて何を言っているだろうか、このバカ菅は。緊急事態条項を憲法に加えたところで、
何のメリットがあるのか(メリットなど無いのだが)具体的に説明すべきなのに、それさえもしない。
もっとも、先の戦争法だって、強行採決後に「丁寧に国民に説明していく」などと言って、一度もそんな
説明などしていないのだから、自民党へ投票してくれれば、国民のことなど「知らねーよ」ということだ。
強い余震が未だに止まぬ今、川内原発の稼働中止にするのが通常の感覚なのにそれさえもしない。あれほど
右翼的で、現内閣に好意的なコメントが多かったヤフコメでさえ、川内原発停止が圧倒的なのにだ。ここで
原発を止めたら再稼働が難しくなるというふざけた理由なのは明白だ。
選挙の時だけ、国民の「皆様」と祭り上げ、後は国民の「奴等よ、従え」というふざけた連中ばかりの現内閣
と自民党だ。
2016.04.16 17:13 | URL | #- [edit]
とら猫イーチ says..."絶対に今回の地震を利用しますよ"
 私は、必ず、今回の大地震を利用して、緊急事態対応の憲法改正を合理化する口実にする、と確信していましたので、彼等の狙いからすれば当然と思いますね。

 今後は、合理化のために、何等かの不都合をデッチ上げるでしょう。 幾らでもデマを捏造すると思います。 注意が要るでしょう。 

 都道府県行政機構への首相からの緊急事態に鑑みた指揮命令権が無いので、その調整に時間を要する等と、緊急事態条項があれば、今よりも速やかに対応が可能になる等とデマを流す、のは、初歩的なことでしょう。 何処の行政機構でも良いのです。 今回の地震を絶対に利用しますね。
2016.04.16 17:36 | URL | #IDQLPpzQ [edit]
抹茶カステラ says..."今やるべきこと"
緊急事態条項の件、予想どうり持ち出してきましたね~(汗)。
あべ自民のズレっぷりにはホントに頭痛が痛くなります。

どう考えても、今やるべきことじゃないでしょう。
日本を横断する中央構造線、その西のはずれに今回の震源地は位置していますね。
視点を少し南西にずらせば、川内原発、東にずらせば伊方原発が…
こんなに危険な活断層のそばで、原発を動かすなんて正気の沙汰とは思えません。
日本の将来に禍根を残さないためにも、今やるべきことは原発を止めることではないですか?

こんな一庶民のタワゴトは相手にもされないでしょうけど。。。

2016.04.16 17:50 | URL | #z2JIwU5k [edit]
ラッキー says..."緊急拡散"
ネットから

【要拡散】自民党の憲法改正の本当の目的は、「全権委任法」
http://antiglobalism.blog.fc2.com/blog-entry-13.html

緊急事態宣言がなされた場合、次の段階へと向かいます。

・内閣は法律と同一の効力を有する政令を制定する事が出来る ← ?!

・何人も公の機関の指示に従わなければならない ← ?!!

・衆議院は解散されない ← ?!!!

・両議員の任期及び選挙期日の特例を持たせることが出来る ← ?!!!!!!

あの大東亜戦争中でさえ、選挙はあったのですが。

要するにこれは、「国家緊急事態」を利用した、「全権委任法」です。

自民党に憲法改正をさせてはなりません。
2016.04.16 18:47 | URL | #- [edit]
むう says..."安倍サポートも大概にしろ(`´)"
災害に乗じて、国民主権を停止するための改憲アピールに余念がない菅。

“こんな時に不謹慎なツイートだ”と民進党や共産党をたたき、
こんな時に不謹慎な安倍サポートをする産経のニュース。

“救助活動では、トモダチ作戦のときみたいにアメリカ軍と連携するつもりだ”といい
仲良しアピールで今後は一緒に戦争(テロとの闘いor正当な制裁or自衛というでしょうが…)までするつもり満々の安倍。

すごいわ、まじくず。

今日の報道特集で現地リポートをしていた金平茂紀さんは、リポートしながら感情を必死で堪えて涙を流さないように耐えてる感じでした。
地震のスケールの大きさを現場で実感した、
川内原発が稼働したままでいいのかと心配している地元の人の声を聞いた、
とリポートされていました。

この国では、くずなら易々と生きやすく
信念を持って生きれば嫌がらせが半端ない。

生活感やそれに伴う感情がないヤツに、国民の生活を整えるための政治なんて無理だろ…(-""-;)
2016.04.16 19:34 | URL | #- [edit]
洲蛇亜林 says..."地に足の着かない幻想"
災害に対しては既に既存の法律が揃っており運用が充分に出来るように普段から訓練や態勢を整えておけば対応可能ということですね。
もし現行の法律に不備な点があれば法改正なり必要な法律を整備すれば良いことであって、どちらにせよ憲法を改正しなければならない話ではないですね。

どうも今の政権の発想は着実にものごとを改善して行こうという姿勢に欠けていて、経済においてはアベノミクスという「賭け」の要素の大きい政策を採り、また秘密保護法や集団的自衛権容認など副作用が大きいと予想されるものを強行するなど「暴走運転」「危険運転」に喩えてもおかしくはないと思います。
憲法を改正すれば何かが良くなるという幻想を振り撒く前に、現実の国民の暮らしを改善する努力をしてもらいたいものですが期待することが無理でしょうね。
2016.04.16 21:08 | URL | #- [edit]
あきくん says..."人の不幸を利用して"
人の不幸を利用してこういうこと言うのは本当に非道。
こういうことは、今回の熊本の救助活動をやってみて、
現行法に不備があって出来ないことがあったか、その不備の補正が法改正でなく憲法改正でないと出来ないのか、分析して言わなければ何の説得力もないです。

本当に低レベルで情けない。
2016.04.16 22:25 | URL | #- [edit]
メタセコイア says..."災害の政治利用"
災害の政治利用
緊急事態条項の件
「何で今言うのよ」という感じですよね。9条よりもこちらを先にという表明でしょうか

それと、気になるニュース
↓ Yahoo!ニュースから
>熊本大地震 政府、被災者支援のため米軍に支援を要請
>      フジテレビ系(FNN) 4月17日(日)1時56分配信

>政府関係者によると、被災地に必要な物資を届けるために、アメリカ軍に支援を
>要請したという。
>アメリカ軍は、東日本大震災で被災地を支援する「トモダチ作戦」を行ったが、
>今回は、航空輸送の支援を依頼したという。

米軍普天間飛行場からMV-22がやってきて「活躍」するのかしら
2016.04.17 06:04 | URL | #- [edit]
raymiyatake says..."コメントはgooブログにお願いいたしますm(__)m"
ごめんなさい!

以下の記事に書いたような事情があり、今後のコメントはgooブログ
http://blog.goo.ne.jp/raymiyatake
にお願いいたしますm(__)m

『コメンテーターの皆様へ。申し訳ありません、gooブログをメイン、こちらを予備にいたしますので、コメントはgooブログにお願いいたしますm(__)』
http://raymiyatake.jp/blog-entry-3345.html
2016.04.17 07:10 | URL | #- [edit]

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